STEP3【IPO】税理士依存からの脱却

今回の内容

今回は、株式上場(IPO)に向けたロードマップの【STEP3】となります。
経営者として「株式上場の進め方」についてのイメージをつかんでいきましょう。

 

IPOに向けて税理士変更

今回のテーマは、
IPO準備を進めていく中で直面することがある、
「税理士変更」
についてお伝えしたいと思います。

 

創業時からIPOを意識している経営者は、
最初からIPOを意識した税理士選びをすることも
あるのかもしれませんが、
そのようなケースはおそらく稀でしょう。

最初は、管理コストを安くしたいとか、
知り合いの紹介といった感じで、
税理士と契約をすることが多いのかもしれません。

 

そして、そのような税理士が、
IPO準備に上手く対応できないということで、
税理士変更になるケースがあります。

 

それでは、なぜIPO準備を考えた際に、
税理士変更が必要なるのでしょうか?

 

おそらく、理由としては、
IPOにあまり縁が無い税理士の場合、
①上場会計についていけない
②大きな会社に対応できない
といったことが理由として考えられます。

確かにこのような理由で
私自身も、2年に1回くらいの頻度ではありますが、
「IPO対応できる税理士を探しています」
ということで、税理士変更を目的とした
業務の依頼をいただくことがあります。

 

ただ、個人的に感じることとして、
成長していく会社にとって、
税理士の存在が弊害になることも多いと感じております。

そこで、今回は、
「【STEP3】 税理士依存からの脱却」
というテーマで、普段、私が感じていることを
お伝えさせていただきたいと思います。

 

税理士と会計士って何が違う?

「税理士と会計士って、どう違うのですか?」

この質問は、これまで
本当に多く受けてきました。

税理士と会計士の違い、
確かにわかりづらいですよね。

 

だいたいのイメージとしては、
・税理士⇒小さな会社の対応
・会計士⇒大きな会社の対応
といったイメージを漠然と持たれているようです。

 

確かに、1つの切り口としては
間違いではないと思うのですが、
今回は以下のような形で整理をさせていただきたいと思います。

———————-
・税理士:業務請負の姿勢
・会計士:自立支援の姿勢
———————-

誤解を恐れず
違う形で表現しますと、

———————-
・税理士:「会計数値は税理士が作る」と思っている
・会計士:「会計数値は会社自らが作る」と思っている
———————-

という違いがあると思います。

 

みんながみんな、
このような区分けになっているわけでは当然ありません。

あくまで総論的にまとめると、
このような統計になると思っています。

 

この両者の違いは、
もともとの社会的なニーズの違いから
生じているものだと思います。

結局、小さな会社の場合には、
リソースも無いため、会計領域を税理士さんに丸投げして、
完全に請け負ってもらった方が効率的ですし、
実際にそうしないと会計の方が回らないという背景があると思います。

 

結果として、
「小さな会社
 =丸投げして会計数値を代わりに作ってもらう
 =税理士へのニーズ」
ということが業界全体で起きています。

 

一方で、
上場会社のような大きな会社の場合、
経理部も社内にあり、かつ、上場会社の場合には、
自社で会計数値を作ることが、
上場制度の根幹になっていたりします。

そして、その作成した会計数値を、
外部の会計士がチェックをするという構図があり、
会計士は会社自らが会計数値を作れるように
指導したりする役割も担っていたりします。

 

つまり、
「大きな会社
 =自社で作成したものをチェックしたり、アドバイスしてもらう
 =会計士へのニーズ」
というイメージになります。

 

そもそもの社会的ニーズの違いから、
税理士と会計士はスタンスがそもそも違うのです。

 

税理士村 vs 会計士村

それでは、
税理士的姿勢と会計士的姿勢の
どちらがいったい正しいのでしょうか?

会社規模で判断すればよいのでしょうか?

 

これは、あくまでの私の個人的な見解ですが、
——————————
会社規模によらず、
会計数値はできる限り会社自らが作るべきである
——————————
と考えています。

 

つまり、小さな会社であっても、
税理士に会計数値作りを丸投げすべきではない、
ということです。

 

私は会計士として20年、
税務業務に携わって15年くらいですが、
やはり「会計士村」出身なので、
「税理士村」の請負思想にどうしても馴染めません。

その思いの背景になるのは、
————————-
税理士村のスタンスだと、
会社に自立心がなくなり、会社が成長しない
————————-
と考えるからです。

 

税理士に会計数値作りを丸投げすることは、
会社にとっては、一見、楽になるように思えるかもしれませんが、
実は、自社の成長を阻害している要因になっています。

さらに、会計数値作りの主導権が税理士側になるので、
途中で軌道修正しようと思っても、難しい状況が起きます。

 

よくわからないけど、毎年顧問報酬が高くなる。
数値を速く知りたいけど、対応してくれない。
税理士がやりやすいように数値が作成される。

また、仮に税理士がミスしたり、処理が不十分でも、
会社側が気づく力が無いので、そのままスルーされています。

 

このような状況に陥っている会社を多く見てきました。

自社できちんと会計数値を作る力を養っていれば、
このようなことはすべて解決できるはずです。

これは税理士側の指導不足も原因の1つでありますが、
一方で会社側の税理士依存体質にも原因があると思っています。
どちらか一方だけの問題ではないはずです。

 

今回はIPOを前提に記載をしてはいますが、
本質的には、IPOを目指すかどうかにかかわらず、
仮に小さな会社であっても、できる限り自社で会計数値作成に
取り組むべきだと思っています。

税理士へ依存することは楽なように見えて、
失っていることが実は多いのです。

 

そのため、苦しくても、
自社で会計数値を作る努力をして、
そのうえで、より専門的な領域で、
税理士に頼るというスタンスが、
理想的な税理士・会計士との付き合い方だと考えています。

 

なお、IPOを前提とすると、
———————–
・自社で
・素早く
・正確に
・会計数値を作成する
———————–
ことが必須条件になります。

 

そのため、もしIPOを考えていて、
今現在の顧問税理士との関係性が、
いわゆる「税理士村」的なスタンスであれば注意が必要です。

すぐに「会計士村」的な
自立する方針に舵を切り直して、
自社で会計数値を作成する方法を
考えてみていただきたいと思います。

 

自社のことは自社が一番わかっています。
本当に意味のある会計数値を作れるのは会社内部の人材です。
自社で会計数値を作成することで会計スピードが格段に速くなります。
そのうえ、会計数値を経営に活用できるようになります。

企業成長を考えた場合には、
絶対、こちらの道が良いと思います。

 

まとめ

ということで、今回は、
「【STEP3】 税理士依存からの脱却」
というテーマでお伝えしたつもりですが、
どちらかというと、私が日々感じている思いを
お伝えする場になってしまったかもしれません・・・。

 

実は、私も税務業務をやり始めた当初は、
この「税理士村」の独特の慣習に本当に悩みました。

顧問税理士を変えたいということで、
私の事務所にたどり着いた会社の多くが、
やはり「税理士村」のやり方に染まっていたからです。

 

そのような会社に、
「自社でできるように自立した体制を作りましょう」
というスタンスをお伝えすると、
「前の税理士さんは、やってくれたのに・・・」
みたないことを言われることも少なからずありました。

ダイレクトにそのようなことを言わない社長でも、
そのような思いが伝わってくることもあります。

 

当初は、私自身も
「税理士村」の慣習に慣れようとした時期もありましたが、
そうすればするほど、クライアントが依存体質になり、
ご自身で判断しない傾向が増えてきましたし、
何かあれば、こちら側に問題が降ってくることも多かったです。

事務所基盤が安定するまでは、
それでも頑張っていたのですが、
ある程度、事務所の基盤ができてからは、
「税理士村」に無理に合わせるのはやめることにしました。

 

やはり「会計士村」的なスタンスの方が
私にはしっくりくるようです。

 

最近は、会社の規模に関らず、
小さな規模の会社であっても「自立心」が無くならないように、
できる限り会社側が会計数値に関与するようにお願いしています。

新規の引き受け時も、
この「自立心」をもってくれるかどうかを
1つのポイントにすることにしました。

 

そして、
会社が自立的に会計に関与するために
とても効果的な会計ソフトとして、
「マネーフォワード」
に出会ったことも、とても大きなことでした。

マネーフォワードは、
会社が自立的に会計数値を作成するためには、
とても効果的なツールです。

その理由は、当サイトで、
いろいろとお伝えしていますので、
ご確認いただければと思います。

 

是非、これからIPOを目指したい社長にも
積極的に「マネーフォワード」
使ってみていただきたいと思っています。

 

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