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STEP13【IPO】月次決算の早期化

  • 2020.8.24

今回の内容

今回は、株式上場(IPO)に向けたロードマップの【STEP13】となります。
経営者として「株式上場の進め方」についてのイメージをつかんでいきましょう。

 

 

IPOに向けた月次決算体制構築

今回のテーマは
「月次決算の早期化」
です。

このテーマは、
当サイトが強く必要性をお伝えし続けている
「スピード会計」
に関するテーマと基本的には連動するものです。

 

そのため、
他の記事も確認いただきたいと思っていますが、
改めてIPOに向けてということで、
「【STEP13】 月次決算の早期化」
というテーマで月次決算についてお伝えしていきたいと思います。

 

たんに月次決算をするというだけでなく、
スピード感をもって月次決算を締める、
というのがポイントです。

月決算の早期化は、
IPO体制構築にあたって、
とても重要なテーマである一方で、
想像以上に高いハードルになると思いますので、
是非、ご確認いただければと思います。

 

具体的には、
———————————————-
・月次決算とは具体的にはどのようなもの?
・なぜIPOに向けて月次決算が必要なのか
・月次決算はどれくらい早くする必要があるのか?
———————————————-
といった点をお伝えしてみたいと思います。

 

 

月次決算とは具体的にはどのようなもの?

「月次決算」についてですが、
すでに取り組んでいてご存知の経営者も多いかもしれませんが、
改めて「月次決算とは?」について、
簡単にお伝えしたいと思います。

 

この「月次決算」ですが、
どのようなことをするかというと、
—————————–
月次で数値を締めて見える化する
—————————–
といったものです。

 

毎月の企業経営の結果を
月単位で見える化することで、
月次ベースの現状把握を実施する、
ということですね。

 

ちなみ月次決算は、
法律で決められたものではありません。

そのため、
企業によって実施しても実施しなくても、
基本的には問題ありません。

また、月次決算を実施することにより
逆に手間が増える可能性もあります。

 

それでも月次決算が重宝されるのは、
やはり、それだけのメリットがあるからだと思います。

この「月次決算のメリット」については、
次の「なぜIPOに向けて月次決算が必要なのか?」という内容で
もう少しご説明をしたいと思います。

 

 

なぜIPOに向けて月次決算が必要なのか?

月次決算は法律で義務とはされていませんが、
IPOを目指す会社にとっては、
月次決算ができていることは最低限の条件となります。

また、月次決算に取り組んでいるというだけでは、
IPOの条件を満たさず、そのスピードと精度の
両側面が要求されます。

 

なぜIPOをするためには、
スピード感をもって精度高く
月次決算をすることが求められるかというと、
——————————–
タイムリーに数値を確認し、
タイムリーに会社の状況をディスクローズ
していく必要があるため
——————————–
です。

 

上場会社になれば、
経営数値の情報をタイムリーに
公表していく必要があります。

決算発表という意味でも
タイムリーな公表が求められますし、
当初公表した事業計画や予算と、
実際の数値の乖離が明らかになった場合には、
適時にその情報を公表する必要があります。

 

その他、「適時開示」という点で、
いろいろな情報公開が求められるようになりますが、
「月次決算の早期化」が実現できていることが
そのようなタイムリーな情報公開の前提になるため、
スピーディーかつ精度高い月次数値作成・把握が
IPOをするためには重要となります。

上場審査においても、
月次決算の早期化はポイントとなります。

 

 

月次決算はどれくらい早くする必要があるのか?

それでは、いったいどれくらい早く
月次決算を作成できるとよいのでしょうか?

1つの目安としては
———————-
翌月10営業日まで
———————-
といった感じだと思います。

 

もっと早く月次決算が確定できれば理想的なのですが、
まずは、翌月10営業日を1つの合格ラインとして
意識していただくと良いかと思います。

もし現在、月次決算が上手くできていない場合や、
月次決算数値が出来上がるのが遅いようであれば、
翌月10営業日に月次決算が確定するための
具体的なアクションを考えていく必要があります。

 

具体的に、
今現在、どこにボトルネックがあり、
月次決算が翌10営業日に固まらないかを
きちんと調査をして対策を立てていく必要があります。

そのなかでは、
人員の増員とか、システム変更とか、
あとは、税理士に依存している場合には、
税理士との関与度合いを見直す、
といったような対策が出てくるかもしれません。

 

会社によって、月次決算の課題は様々です。

まずは自社にとってのボトルネックを確認し、
それを1つ1つ解決していくことが必要です。

 

 

まとめ

ということで、今回は、
「【STEP13】 月次決算の早期化」
というテーマでお伝えさせていただきました。

 

このテーマについては、
当サイトでもメインにしている内容でもあり、
語りつくせないほど、いろいろと記載をしたいことはあります。

ただ、いろいろと盛り込み過ぎると、
逆にわかりづらくなってきますので、
今回はとりあえず
「月次決算の早期化は重要ですよ」
という程度の内容でとどめておきたいと思います。

 

なお、月次決算の早期化のベースになる
「SPEED会計習慣」
については、
当サイトの他記事も参考にいただきたいと思います。

経営者として「マネーフォワード」を
上手く活用していくことで、
きっと月次決算の早期化と、業務の効率化を
実現できると思いますので。

 

 

参考:IPOのロードマップ

【STEP 1】 事業計画・コーポレートストーリーの作成
【STEP 2】 資本政策・資金調達計画の立案開始
【STEP 3】 税理士依存からの脱却
【STEP 4】 税務会計から上場会計へ
【STEP 5】 管理部門人員の強化(経理・人事)
【STEP 6】 労務管理体制の強化
【STEP 7】 監査法人の選定・ショートレビュー
【STEP 8】 証券会社選定
【STEP 9】 役員構成の整備開始
【STEP10】 関連当事者の整理
【STEP11】 上場PJチーム発足
【STEP12】 規程類の整備開始
【STEP13】 月次決算の早期化
【STEP14】 予算管理体制・セグメント管理体制の構築
【STEP15】 内部統制体制&内部監査体制の構築開始
【STEP16】 会計監査の本格対応
【STEP17】 証券会社審査等の対応
【STEP18】 上場のための開示書類作成
【STEP19】 取引上の上場審査
【STEP20】 ロードショー&株価決定

 

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