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Vol.5 月次決算スピードが速い会社ほど、業務が合理化される

  • 2020.5.25

分業化・組織化が進むと

社員が増え、組織化されてくると、
業務が分業化され、効率が上がるフェーズがあります。

これまでこぼれ落ちていた業務が
きちんとフォローされ、業務の質も上がっていきます。

一方で、
そのフェーズが続いていくと、
次は、自然と業務量が増えていく、
というフェーズになっていきます。

売上も伸び、業容拡大しているなかで、
必要な業務が増えていくのであれば問題は無いと思うのですが、
売上・業容拡大していないのに、
業務量だけが増えていく状況だと注意が必要です。

それは、「無駄な業務」が
増えている可能性が高いからです。

 

必要な業務と無駄な業務

ここでいう
「無駄な業務」
とは、どのような業務でしょうか。

それは、
顧客がそこに価値を感じて
お金を払っているかという点で
考えるとシンプルだと思います。

真面目な社員であれば、
「業務レベルを上げたい」
「もっとこうやって改善できるのでは」
といった思いをもってくれるものです。

この姿勢は大切ですが、
その努力の方向が間違ってしまうと、
経営としてはもったいないです。

顧客が望んでいないレベルのことに、
時間と労力を割くのは「自己満足」の業務といえます。


いったん分業化し、組織化されると、
この「自己満足業務」が自然と増えていく傾向があります。

人手が足りなかったり、
分業化されていないときには
余裕がなく「自己満足業務」が実施されることは少ないですが、
余裕ができると「自己満足業務」が取り組める環境になるからです。

 

組織の論理

組織はいったんできあがると、
組織自体の存続が目的になりがちです。

時間に余裕ができれば、
その時間にあわせて業務が増える傾向にあります。

それが、
「付加価値の高い業務かどうか」
という視点とは別次元で、
業務が増えていきます。

そして、
いったんそうなってしまうと、
元に戻すのは難しくなってきます。

組織存続を正当化するために、
すべての業務は必要な業務として、
主張がされてくるからです。

この段階では、
「何が本当に必要な業務なのか」
「付加価値が高い業務はどれなのか」
「顧客が必要としている業務は何か」
といったことの見分けをつけるのが、
困難になっている状態になります。

経営者としても、
どのように判断をすればよいか、
難しくなってくるフェーズだと思います。

無駄な作業を廃止しようとしても、
社員の存在意義を否定することにもつながりかねないため、
抵抗にあったり、反発されたり、
なかなか改革をするのも難しいものです。

 

月次決算のスピードが解決してくれる

そのようなときに、
重視してみていただきたい1つの指標として、
「月次決算スピード」
があるのではないかと考えています。

 

スピードというのは、
測定可能で、客観的な指標になり得るため、
抽象的な議論を排除することもできます。

つまり、

会計のスピードを目標にすることで、
無駄な業務かどうかを選別する

ことができます。

会計業務というのは、一般的には、
いろいろな業務の一番最後にくる工程になりがちです。

それだけに、
会計の工程を見るだけで、
その前工程の各種業務が効率的かどうかが
とてもよくわかります。

会計業務が複雑化している会社は、
社内のあらゆる業務が複雑化している傾向にあります。

月次決算数値がまとまるスピードが遅い会社は、
社内のあらゆる業務のスピードが遅く、
その背景には、無駄な作業、非効率な作業が存在しています。

逆に、
月次決算数値がまとまるスピードが速い会社、
つまり「会計スピードの速い会社」の特徴には、

・社内業務がシンプルになっている
・社内業務のスピードが速い
・社内業務が合理化されている
・社内ルールが守られている

といったような点があります。

社内業務の一番の後工程である
「会計業務」
を見るだけで、いろいろなことが、
本当に見えてくるものです。

社内業務の効率化を目指すのであれば、
まずは月次決算スピードの速い会社を目指していきませんか?

 

 

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