目次
- 1 IPOに向けてのストックオプション
- 2 直近IPO銘柄のストックオプション事例
- 2.1 ■バルミューダ株式会社(2020年12月16日マザーズ上場)
- 2.2 ■かっこ株式会社(2020年12月17日マザーズ上場)
- 2.3 ■株式会社プレイド(2020年12月17日マザーズ上場)
- 2.4 ■株式会社インバウンドテック(2020年12月18日マザーズ上場)
- 2.5 ■株式会社ココペリ(2020年12月18日マザーズ上場)
- 2.6 ■株式会社いつも(2020年12月18日マザーズ上場)
- 2.7 ■ウェルスナビ株式会社(2020年12月22日マザーズ上場)
- 2.8 ■株式会社Kaizen Platform(2020年12月22日マザーズ上場)
- 2.9 ■株式会社ヤプリ(2020年12月22日マザーズ上場)
- 2.10 ■株式会社交換できるくん(2020年12月23日マザーズ上場)
- 2.11 ■ENECHANGE株式会社(2020年12月23日マザーズ上場)
- 2.12 ■株式会社東京通信(2020年12月24日マザーズ上場)
- 2.13 ■株式会社ファンペップ(2020年12月25日マザーズ上場)
- 2.14 ■クリングルファーマ株式会社(2020年12月28日マザーズ上場)
- 2.15 ■株式会社オンデック(2020年12月29日マザーズ上場)
- 3 事例の確認結果
- 4 まとめ
IPOに向けてのストックオプション
先日、今後IPOを本格的に目指すタイミングのクライアントから、
「ストックオプションの価格はどのように決めればよいのでしょうか?」
「誰が算定するのでしょうか?」
といったような質問をいただきました。
価格の算定については、
いろいろパターンが会社によってあるとは思いますが、
将来的なIPOを前提にすると、
独立第三者による客観的な評価が望まれるところです。
その際の評価方法の考え方についても
評価算定者の考え方や、会社のステージにもよると思います。
ただ、実際にIPOした会社は、
どのような算定方法を使用しているのでしょうか?
この点については、
これまでいくつか事例をご紹介してきたなかで、
直近のマザーズIPOの15銘柄について、
実際の状況を確認をしてみたいと思います。
直近IPO銘柄のストックオプション事例
■バルミューダ株式会社(2020年12月16日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・確認できず
②新株予約権の割合
・7.8%
■かっこ株式会社(2020年12月17日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法により算出した価格に基づき決定
②新株予約権の割合
・12.16%
■株式会社プレイド(2020年12月17日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF及び類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・10.39%
■株式会社インバウンドテック(2020年12月18日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法により第三者算定機関が算定した価格に基づき、総合的に勘案して決定した価格
②新株予約権の割合
・9.76%
■株式会社ココペリ(2020年12月18日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法及び類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・8.53%
■株式会社いつも(2020年12月18日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・純資産方式及び類似業種比準方式により算出した価格を総合的に勘案決定
②新株予約権の割合
・7.87%
■ウェルスナビ株式会社(2020年12月22日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・13.25%
■株式会社Kaizen Platform(2020年12月22日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法により算出した価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・12.67%
■株式会社ヤプリ(2020年12月22日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法により算定された価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・9.81%
■株式会社交換できるくん(2020年12月23日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法での算出価格を総合的に勘案決定
②新株予約権の割合
・4.54%
■ENECHANGE株式会社(2020年12月23日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法により算定された価格を参考として決定
・DCF法により算定された価格を参考として決定した行使価額に、
モンテカルロ・シミュレーションにより算定された権利価格を加算して決定
②新株予約権の割合
・27.64%
■株式会社東京通信(2020年12月24日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・第三者算定機関による算定(DCF方式及び類似会社比準方式)を総合的に勘案決定
②新株予約権の割合
・1.84%
■株式会社ファンペップ(2020年12月25日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF方式により算出した価格を総合的に勘案して決定
②新株予約権の割合
・13.85%
■クリングルファーマ株式会社(2020年12月28日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法及び類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案して決定
・DCF法により算出した価格により決定
②新株予約権の割合
・11.74%
■株式会社オンデック(2020年12月29日マザーズ上場)
①発行価格算定方法
・DCF法、純資産方式及び類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案決定
②新株予約権の割合
・3.84%
事例の確認結果
発行価格の算定方法については、
やはり「DCF法」が圧倒的に多い状況が確認できました。
なかには、
純資産方式や類似会社比準方式を採用したり、
これらを複数組み合わせたりはしているケースもありますが、
DCF法の採用率は9割以上といった印象です。
将来のIPOを前提にしている状況で、
将来のキャッシュ・フロー成長をベースに
株価が形成されていくことが期待されていますので、
必然的にDCF法になっていくものとは思います。
どちらかというと、
事例としてDCF法を採用していないケースもある、
といったあたりが参考になる点でしょうか。
なぜ、その算定方法を採用したかの背景まではわかりませんし、
あくまで他社は他社ですので、
各社の状況に応じて、そのときの最善の見積をしているものと思います。
まとめ
ということで、今回は、
「ストックオプションの発行価格」
について、直近のIPO事例をもとに、
算定方法の確認を実施してみました。
参考までに。