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Vol.100 弥生会計と比べてマネーフォワードが劣る点

  • 2021.1.20

弥生会計と比べてマネーフォワードが劣る点

Vol.91の記事のなかで、
「弥生会計と比べて「マネーフォワードが劣る点」」
として以下を挙げさせていただきました。

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①画面推移に少し時間がかかる場合がある
②固定資産台帳機能が弱い(⇒2021年に固定資産機能を別リリース予定)
③消費税申告書作成機能がない
④1社1契約データなので、複数データを作成し、バージョン管理ができない
———————————————–

 

今回は、弥生会計を使用している会社が、
マネーフォワードへ移行した際に、
不便に感じる可能性のある点についても
念のためご紹介しておきたいと思います。

 

①画面推移に少し時間がかかる場合がある

まず、クラウド会計であるマネーフォワードは、
インターネット環境があってこそのソフトになります。

インターネット環境があれば、
どこでも手軽に使用できる良さはあるのですが、
画面を切り替えたりする際に、少し時間がかかります。

 

この「少し」というのは、
たとえば、1秒とか2秒とか、といった感じです。
ネットワーク環境も影響するのかもしれませんが、
インストール型の弥生会計ソフトと比べると、
やはりストレスがかかる面は否めません。

慣れれば、それほどのストレスではないのですが、
弥生会計と比べると、明らかにストレスはあると思います。

 

ただ、弥生会計の方が、
人が手入力をしていく前提のソフトだとすると、
マネーフォワードの方は、
人が入力する部分をできるだけ省略していくソフトといえます。

人が手入力する前提があると、
この画面切り替え時の「少しの時間」も気になるところだと思いますが、
マネーフォワードは、弥生会計ほど手入力が多くないので、
その意味では、それほどデメリットにはならないような気もします。

 

②固定資産台帳機能が弱い

次に「固定資産台帳」の機能についてです。

弥生会計には、
「そこそこの固定資産台帳機能」
が装備されています。

固定資産が少ない小規模会社の場合には、
弥生会計に装備されている固定資産台帳で十分機能します。

 

一方で、マネーフォワードの方にも
固定資産台帳機能はあるにはあるのですが、
本当におまけ程度のレベルなので、
あまり活用をすることを前提にしない方が良い感じです

固定資産台帳機能だけを比較すると
明らかに弥生会計の方が勝っています。

 

この点について、
マネーフォワードの方針としては、
固定資産台帳機能は別で切り出し、
高品質化して、提供をされるようです。
(⇒2021年に固定資産機能を別リリース予定)

上場会社のレベルでも
使用してもらえるような品質を目指しているとのことです。

 

このあたりは、
固定資産をどれだけ保有しているかにもよりますし、
会社の規模感にもよりますので、一概に言えませんが、
そこそこの固定資産台帳を会計ソフトの範囲内で使用したい場合には、
弥生会計の方が機能としては充実しているのは間違いありません。

 

一方で、IPOを目指す会社については、
上場に必要なレベル感の固定資産管理ソフトを、
いずれにしても別途導入することになると思いますので、
会計ソフトに付随する固定資産台帳機能については、
あまり目を向ける必要はない気もします。

 

③消費税申告書作成機能がない

そして、3つ目が、
「消費税申告書作成機能」
についてです。

 

弥生会計には、
消費税申告書の作成機能が付いています。

この機能を利用して申告までもっていくケースは、
ほぼ無いとは思っていますが、それにしても、
この機能があると便利なのは間違いありません。

消費税申告書を作成する際には、
別途、税務ソフトを利用するのが通常かと思いますが、
検算の意味で、弥生会計の消費税申告書データを活用したり、
簡便的にすぐに申告書イメージを見たいときに閲覧ができますので、
その点で、弥生会計ソフトは便利と言えます。

 

マネーフォワードには、今のところ、
この消費税申告書作成機能は存在しないので、
ここについては「無いよりは、あった方がよい」と意味で、
弥生会計に分があると言えます。

 

④1社1契約データなので、複数データを作成し、バージョン管理ができない

そして最後に4点目として、
「1社1契約データなので、複数データを作成し、バージョン管理ができない」
という点を挙げてみました。

 

これはどういうことかというと、
1つの弥生会計をインストールすると、
その箱の中で、何社でも会社の枠を作ることができます。

よくあるのが、
グループ会社がある場合に、
複数の会社の枠を1つの弥生会計のなかで作成し、
利用するようなパターンです。

 

また、会計数値をいくつかのバージョンで、
試しに作成したいような場合にも、
バージョン1、バージョン2,みたいな形で
会社の枠を作ってデータ保存をしたりも可能です。

 

一方で、マネーフォワードの方は、
1社1契約になっています。

そのため、たとえば、
グループ会社がある場合には、
1社ごとに申し込みをする必要がありますので、
その分だけ料金がかかってきます。

グループ会社が
2社とか3社程度であれば、
マネーフォワードを1社ずつ契約しても、
全体のコストパフォーマンスを考慮すると、
弥生会計に勝る部分が多い気もします。

 

但し、それが、5社以上とかになってくると、
マネーフォワードの場合には、
純粋に割安感が低下するかもしれません。

但し、マネーフォワードや弥生会計を検討している会社で、
5社以上のグループ経営をしている事例は多くないと思いますので、
1社1契約という点で両者を比較する必要性は低い気もします。

 

まとめ

ということで、
「弥生会計と比べて「マネーフォワードが劣る点」」
について、いくつかお伝えさせていただきました。

 

1つ1つの機能等を個別に比較すれば、
当然、勝る場合もあるし、劣る場合もある、と思いますので、
あくまで、参考程度に確認をいただければと思います。

このサイトでは、
マネーフォワードへの思い入れが強く、導入を推奨しているため、
どうしてもマネーフォワードの良さをお伝えする機会が多いのですが、
弥生会計も使いやすく、とても良いソフトであることは間違いありません。

 

最終的には、経営判断として、
・どのような経営数値管理体制を作りたいか
・デジタル化、リモートワーク化を推進したいか
・IPOを意識して企業成長したいか
といったようなことも総合的に考えて、
ソフト選択をしていく感じになるかと思います。

 

ということで、数回にわたって、
弥生会計とマネーフォワードについて、
両者を比較する形でお伝えをさえていただきましたが、
いったん、このあたりで両者の比較は終わりにしたいと思います。

 

 

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