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Vol.18 社員に「会社の未来」を理解してもらうためには?

  • 2020.7.25

未来について語る

経営者であれば、
今のことも大事だと思いますが、
未来を作っていくことも大事です。

現場の社員は、今やることが
優先順位の最上位に来ることが多いですが、
マネジメントの立場になればなるほど、
未来の仕事にも同時に手を付ける必要があります。

ましてや社長であれば、
未来を作る業務にかける割合は、
とても大きくなるべきでしょう。

 

実際に、
未来についての夢やビジョンを語り、
社員を引っ張っていける社長はとても魅力的です。

但し、よく出会う場面として、
未来のことばかりを語って、
社員からは夢物語のように冷めた感じで、
社長が見られている場面があります。

 

これは、
社長と社員の関係性にもよりますが、
このような状況は、社長としても悩ましい問題ではないでしょうか。

今回は、
このような状況を改善するためのヒントについて、
書いてみたいと思います。

 

社長と社員は見える範囲が違う

まず意識しておく必要があるのは、
社長と社員では、
そもそも立場や背負っているものが異なるので、
目線を合わせること自体がそもそも難しい、
ということです。

経営者としては、
社員にも社長の考え方を理解してもらい、
同じような視野で働いてもらいたいと
当然のように思うと思います。

また、社員にそのような要求をすることを
否定するものではありません。

 

但し、現実的には、
社員に社長と同じ感覚をもってもらうのは、
相当ハードルが高いと言えます。

社長に近い経営メンバーや
マネージャークラスのメンバーであれば、
近い思想をもってもらうことはできると思いますが、
それでも簡単ではないと思います。

 

結局は、
—————————-
社長と社員では、
見えている期間の長さが異なる
—————————-
という事実があります。

 

社長は、会社のことについて、
1年後、3年後、5年後、10年後、
といった長いスパンでいろいろなことを考えます。

これは誰に要求されるものでもなく、
ご自身ことや会社全体のことを自分事として考える立場なので、
自然とそのような考えになります。

 

一方で、社員は状況が異なります。

自分が支配している会社でもないのですし、
自分の人生設計の中で、
1つの通過点くらいに考えている場合もあると思います。

社員は、
会社の将来を考えて今の仕事をするわけではなく、
社員自身の長い人生を考えて、
今の仕事を判断する傾向にあります。

 

過去と今と未来をつなげて話す

つまり、
社長は会社の将来のことを考えて今の仕事を考えますが、
社員は、自分の人生の将来のことを考えて、今の仕事を考えます。
社員は、会社の将来と今の仕事を結び付けていないことが多いです。

社長としては、本当は、
・会社の将来
・社員の人生
・今の仕事
の3つを結び付けてあげられると良いのですが、
なかなか簡単にできることではありません。

 

但し、簡単ではないからといって
あきらめてしまうと経営が難しくなりますので、
経営者としてはこれらを結び付けてあげられるような
努力をする必要があると思います。

 

そこで何をすれば、
「会社の将来」「社員の人生」「今の仕事」を
きちんと結び付けてあげられるかですが、
ここで重要な役割を担うのが「会計数値」だと思っています。

なぜかというと、
会計数値には会社の実態を客観的に表してくれますし、
社員が直接的に興味をもつ給与についても表現されています。

 

会社が過去にどのような経緯を経て、
今があるかという点についても
数値という客観的な形で表現してくれます。

社長が、これまでの会社の歴史や将来の夢を
熱い言葉で語ることもとても重要ですが、
それを客観的かつ論理的に補足するツールとして、
会計数値はとても有効なツールになるはずなのです。

過去の歴史についても
過去の決算書をもとに話せば、
説得力が増すのです。

 

今の状況を伝える際にも、
リアルタイムな会計数値を共有できれば、
現在地の実感がわくようになります。

 

そして、そのうえで、
将来の事業計画についても話せると、
過去から現在、そして未来への流れがつながりますし、
そこに客観的な会計数値もセットにした事業計画にすると、
社員の中で会社のビジョンが具体化します。

 

ここまでできると、
会社としての将来の計画の達成が
近づいてきます。

 

まずは過去を「会計数値」で語れる必要があり

会計数値を活用することで
社員の頭の中に、会社の「過去」「現在」「未来」を
具体化させられる効果を有しています。

 

このように
とても強力な武器である会計数値ですが、
ここで1つ質問です。

「過去の会計数値」
「現在の会計数値」
「未来の会計数値」

このうち、どれから手をつけ始めればよいのでしょうか?

 

多くの社長は、
やはり「未来」が好きなので、
事業計画とか、予算とかいったことを
最初に始めたがります。

当然、未来の会計数値を活用した
事業計画とか予算は、私も好きですし、
とても重要なテーマだと思います。

 

但し、今現在、
まだ何も手を付けられていないようでしたら、
まずは、
—————————————
「過去の会計数値」
  ↓
「現在の会計数値」
  ↓
「未来の会計数値」
—————————————
の順番で取り組む方が良い気がします。

 

過去を振り返るという意味では、
過去の会計数値が大切ですし、
現状把握という意味では、
現在の会計数値も大切です。

 

当然、未来の会計数値も大切なのですが、
いきなり未来から入ると、
過去との連動性のないものになりがちですし、
本当に作って終わりで、使われないものになりやすいです。

また、社員からの信頼を得るためには、
過去や現在の会計数値を
社長の言葉で語れることが結構重要だったりします。

 

私の経験からも、
会計のわかる社長は尊敬されますし、
逆に会計を度外視して話をする社長は、
信頼されない傾向にあります。

そして、そのスタートしては、
自社の過去の業績をきちんと社内にも
また、状況によっては社外の方にも、
社長自らが語れるかはとても重要だと思います。

 

そのため、まずは、
自社の歴史を過去の会計数値を使って
説明できるようにしていただくことから始められると
良いのではないかと思っています。

そして、それができたら、
スピード会計の仕組みを構築して、
現在の状況を、できる限りリアルタイムで
会計数値を使って共有できると良い気がします。

その延長線上で、
一番好きな分野の「未来の数値」について、
展開をしていってみていただくとよいのではないでしょうか?

 

 

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