Vol.9 月次決算スピードが速い会社ほど、経理部は少なくなる

経理部の課題?

「経理はお金を生まないから人数を減らすべき」
「経理は集計するだけなのに、なぜいつも数字が出てこないのか」
「うちの会社の経理部は・・・」

このようなことをおっしゃられる経営者が
たまにいらっしゃいます。

 

私は、このような発言を聞くたびに、
「おそらく経理部ではなく、その前工程が上手くいっていないのだろう」
「業務プロセスがきれいに整備されていないのだろう」
といったようなことを考えます。

そのあたりについて本日は書いてみたいと思います。

 

分業と業務プロセス

組織規模が大きくなると、
いろいろな場面で分業化が進みます。
営業、購買、マーケティング、・・・。

その分業化のなかの1つに「経理」機能も出てきます。

 

分業化されたあらゆる企業活動の結果が、
最後に「会計数値」としてまとめられますが、
この会計数値をまとめるのは、
一般的には経理部だったりします。

つまり、
経理部門は分業化された組織の中でも、
一番、後工程を担当している、
といっても過言ではありません。

 

ここで考えてみていただきたいことがあります。

経理部の負荷が重く、大変な会社と、
そうでない会社があった場合、
その違いはどこから来ているのでしょうか?

 

いろいろな要因はあるはずですが、

経理部の負荷が高い会社の多くは、
その前の工程である営業や購買といった工程で、
何らかの問題が起きている可能性が極めて高い

と言えます。

なぜかというと、
分業が上手く機能している会社は、
業務プロセスがきれいに流れているので、
最終工程である経理部にもきれいな形で
ボールが回ってきて負荷が少なくなるからです。

 

つまり、経理部の「前工程」が上手く回っているほど、
全体業務の「後工程」の経理部の負荷は少なくなるのです。

考えてみれば当たり前のことだと思いますが、
実はこの大原則を無視して経理部のことを話される経営者が多いので、
是非、この点は意識しておいていただきたいところです。

 

前工程と後工程

結局、後工程である経理部が上手く回らないのは、
間違いなく、その前の工程に問題があります。

もし経理部の人数を減らしたければ、
その他の業務改善をする必要があるということです。

また、
経理部から数字が速く出てこないのは、
他の部署がきちんと根拠となるデータを
経理部にうまく渡せていないからです。

 

経理部がいくらスピードを出そうと頑張ろうとしても、
経理部の段階ではどうしようもなく、
勝負がついてしまっていることが多いのです。

前工程が頑張ってくれないと、
後工程でいくら頑張っても難しいのです。

逆に言うと、
できる限り前工程で「問題」をつぶしておけると、
後工程で上手く回り、組織全体で見たら全体最適になります。

 

後で問題に対処するより、
前で問題に対処しておく方が
数倍、効率がよいですし、結果も出せます。

 

経理部と他部署の関係

日本の場合、
経理や会計を経験したことがない経営者の割合が
多いと言われます。

そのため、
後工程である経理部が何をやっているか、
どうあるべきなのかについて
きちんと考えられている経営者も少ない気がします。

結果的に、
営業部や商品部、マーケティング部といった、
あらゆる部門と別枠で経理部を考えてしまっています。

 

また、その影響か、
残念なことに、経理の役割を会社全体の中でも
低めに位置付けている経営者も多い気がします。

但し、ビジネスとしては、
本来は仕入れて、売って、それを記録したうえで、
管理をしたり、税務申告をしたり、
といった業務はもともと一連の業務です。

組織規模が大きくなり分業化していくなかで、
経理機能も分業化されますが、もともとは一連の業務です。

 

それにかかわらず、なぜか経理は、
他部署とは別枠で考えられることが多いのですが、
もともと一連の業務であることを考えると、
他部署と経理部は表裏一体の関係にあります。

ここを理解して組織を考えらえるかどうかが、
とても重要なのだと思っています。

 

月次決算スピードの遅い会社や
経理が上手く回っていない会社は、
組織機能を分業化したことによる弊害が出ている、
ということだと思います。

 

まとめ

経理と他部署は表裏一体の関係です。

月次決算スピードを上げるには、
経理より前の工程である、
営業や他部署の協力が不可欠です。

全社一丸で経理視点をもって組織作りをすることで、
経理部機能はおのずと簡素化され、
月次決算早期化が実現できます。

 

逆に考えると、

月次決算スピードを上げれば上げるほど、
全社一丸となって経理視点をもつことなり、
結果的に経理部人材は少なくなる

と考えています。

 

もし自社の経理部について
問題があると考えているようであれば、
一度、経理部の前工程についても
考えてみていただければと思います。