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Vol.10 月次決算スピードが速い会社ほど、一体感ができる

  • 2020.6.29

数字の威力

会社の売上拡大や
コスト削減といったフレーズには、
経営者であれば誰しもが興味をもつものです。

一方で、
会計とか経理とか、といったフレーズには、
あまり興味をもたれない経営者も多いものです。

 

ただ、そのような経営者であっても
実際の自社の「月次決算数値」「決算書」を目の前にすると、
ほとんどの経営者が会計数値にくぎ付けになります。

やはり数字という客観的のものをベースにしている
会計数値は威力抜群です。

 

おそらく、経営者としても、
普段感じている「感覚的なもの」が、
具体的な数字に置き換わることで、
経営状況について、いろいろな気づきが出てくるのだと思います。

 

数字を速く知りたくなる

このように「会計数値」にきちんと触れ合う体験をすると、
必ず「会計数値」に興味をもつようになります。

 

経営者はもちろんですが、
社員であっても自社の状況や自部門の業績を
「会計数値」という形で見る機会があれば、
そのデータにくぎ付けになるものです。

これまで曖昧だったものや
他人事として感じていた会社のことが、
急に具体的かつ身近に感じるからです。

 

このメリットを知っている経営者は、
「月次決算数値」を全社で共有して目線合わせをしたり、
給与の評価軸に「会計数値」を活用したりしているものです。

経営メンバーや社員が、自社のことを身近に感じて、
きちんと会社のことを考えながら行動してくれるようになると、
経営者としても、とても助かるのではないでしょうか。

 

このように「会計数値」に触れ合う体験した会社では、
必ずといってよいほど、次のステップとして

月次決算の早期化をしたい

というニーズに発展していきます。

 

つまり、「会計数値」を速く知りたくなるのです。

 

数字を速く確認するためには

それでは、どのようにしたら、
自社の「月次決算スピード」を速くして、
数値把握が速くできるようになるのでしょうか?

 

月次決算早期化のために、
①税理士に頑張ってもらう
②経理部に頑張ってもらう
といったことを考えられる経営者も多くいらっしゃいます。

ただし、これらの方法では抜本的には解決しません。

 

まず、小さな会社の場合、
税理士に会計数値作成を依拠している会社が多いのも事実ですが、
社員数が10名を超えたら、
税理士に依存する体制はすぐに変えた方がよいです。

この点は、大事な点なので、
別の機会で改めて説明をしたいと思いますが、
自社のことは自社が一番わかっていますし、
最終的には自社でしか解決できません。

本当に「月次決算スピード」を上げたいのであれば、
今すぐに税理士から会計数値作成業務を返してもらいましょう。
とても大切なプロセスですので。

 

次に、税理士に依存せず、
自社の経理部で「会計数値」を作成している場合についてです。

この場合、
経理部に頑張ってもらえば、
会計スピードが上がるのではないか、
と考えられる経営者も多いものです。

 

但し、この考え方も基本的には正しくないです。

当然、経理部も頑張る必要はありますが、
会計スピードを上げるというテーマは、
経理部だけの努力では解決できないテーマですので。

なぜかというと、
経理部に資料やデータを渡す立場の営業や商品部や、
さらには社長といった立場の人たちが協力しなければ、
「会計数値」の元になる情報は集まらないため、
経理部がいくら頑張っても「月次決算早期化」は実現できません。

 

全部署・全社員の協力があって、
そのうえで経理部が上手く連携する形

 

この仕組みを作り上げなければ、
月次決算スピードを上げることはできません。

 

それを目的に、みんなが協力する

数字の威力がわかれば、
数字を速く知りたくなります。

数字を速く知れば、
現状把握が速くできて、
PDCAサイクルが速く回り、
軌道修正もできます。

そして、
このサイクルの面白さに社員全員が気づけば、
会社が上手く回っていくようになります。

 

ここでポイントになるのは、
「月次決算数値」を速く作ることです。

そして、その目的に向かって、
みんなが話し合って、速く「月次決算数値」を把握するための手法を
考えるようになるプロセスが大切なのです。

 

そして、このプロセスの中で、

「各自の役割」が決まり、「タスクの期限」が決まり、
それが「社内ルール」となっていく

ということを体感できると思います。

 

社員がやらされ感ではなく、
自分事として、会計数値を速く知るための案を考え、
自らルールを設定していくことになります。

そして、このなかで
社員の一体感が同時に生まれてきます。

 

ということで、
会数数値こそ、経理だけに任すのではなく、
全社一体となって作り上げるべきものだと考えています。
このプロセスが、実はとても重要なのです。

 

 

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