Vol.41 業務を全社最適化するための月次決算

業務改善ツールとしての月次決算

企業活動の中ではいろいろな業務があると思いますが、
これらの業務を「会計数値」という形で集約をして結果としてまとめたものが
決算書とか、B/S・P/Lといったものになります。

そして、この会計数値を月次で見える化するのが
いわゆる「月次決算」になります。

 

この月次決算の「結果」である会計数値を確認して、
タイムリーにレビューすることも経営上は重要だと思いますが、
この月次決算の「結果」を作る月次決算の「作成プロセス」
同じくらい重要だと考えています。

このことを理解できれば、
全社的な業務改善にもつながっていきますので、
今回は、この点をお伝えしたいと思っています。

月次決算は、
全社的な業務改善への近道だと言えますので。

 

なぜ月次決算プロセスが重要なのか

業務がシンプルに構築されていたり、
社内のコミュニケーションが上手くいっていたり、
業務間の連携が上手くいっていれば、
自ずと月次決算の作成プロセスもスムーズになります。

結果として、月次決算が早期化され、
月次数値も迅速に確認ができ、
スピーディーな経営判断ができることになります。

 

一方で、月次決算をスムーズに作成できない会社は、
社内の業務全体がスムーズに流れていない可能性があると言えます。

たとえば、
業務が複雑になっていたり、
重複作業が多く、非効率的な業務が多くなっていたり、
また部門間のコミュニケーションがうまくいっていない、
といったような要因が、その背景にあるのではないかと考えられます。

 

月次決算は、経理だけの業務ではなく、
全社の業務を集約して、整理して数値化するプロセスになるので、
会社全体の業務の流れに問題があれば、
当然、月次決算もスムーズにいかないということです。

そう考えると、

・月次決算が効率的かつ迅速にできる組織 = 全社最適な集団
・月次決算が効率的かつ迅速にできない組織 = 個別最適な集団

といった整理ができます。

 

逆に考えると、
月次決算プロセスを改善していけば、
会社全体の業務改善をしていくことができ、
自ずと「全社最適な集団」を実現できることになります。

このようなことを前提に考えていただくと、
「月次決算の結果だけでなく、作成プロセスも重要」
と私がお伝えしている理由もご理解いただけるのではないかと思います。

 

月次決算でやるべきこと

それでは、
業務改善を意識した場合の月次決算の進め方としては、
どのように進めていけばよいのでしょうか?

いろいろとポイントはあるかと思いますが、
今回は、シンプルに以下の視点をお伝えしたいと思います。

①まずは月次決算スケジュールを決める(誰が、いつ、何をするか)
②スケジュール表を作成する
③毎日、スケジュールの消込をする
④スケジュール通りいかなかった場合には、
 その理由を、その都度メモして記録に残しておく
⑤月次決算が終わった後には、毎月必ず振り返りをする

 

当たり前のことをお伝えしているように思われるかもしれませんが、
月次決算の仕組みが確立できていない会社は、
この当たり前のことができていない傾向にあります。

とくに③④⑤のあたりは、
わかっていても、ついつい後回しにしたり、続かなかったりして、
次第に省略されていく傾向がありますので要注意です。

 

このサイクルを毎月回せる会社と、そうでない会社では、
数ヵ月後に大きな差がついてしまいますので。

 

「個別最適の集まり」から「全社最適」へ

ということで、今回は、
「月次決算の作成プロセスの意義」
のようなことについてお伝えさせていただきました。

経営者としては、
どうしても月次決算の「結果」が気になるところだと思いますが、
是非、月次決算の「プロセス」の方にも
意識をしてみていただきたいと思っています。

月次決算のプロセスには、
経営者が目を向けるだけの「価値」が必ずありますので。

 

とくに、上記で記載した①~⑤のうち、

③毎日、スケジュールの消込をする
④スケジュール通りいかなかった場合には、
 その理由を、その都度メモして記録に残しておく
⑤月次決算が終わった後には、毎月必ず振り返りをする

の3点については、きちんとできているかどうかを、
経営者としてウォッチをしていただきたい点です。
(経営者が目を光らせていることが、とても重要ですので)

 

面倒くさがらずにこれらを毎月実践していくことが
会社として大きな力になっていきます。

毎月やっていくうちに、
月次決算は、経理だけの問題ではないことに気づけると思いますし、
同時に会社のあらゆる部門での課題にも気づけるでしょう。
全社的な業務改善のための課題が毎月見つかるはずです。

 

経理だけでなく、全社を巻き込みながら、
この点について議論をしていければ、
月次決算プロセスを通じて全社最適化が実現できるはずです。