【IR】マネーフォワード社2020年11月期3Q

マネーフォワード

このサイトでは、
マネーフォワードの活用を強く推奨しています。

というのも「マネーフォワードの世界観」
私の業務スタンスとしっくりくるためです。

 

きちんとマネーフォワードを導入し、活用すれば、
これほど費用対効果の高い投資はないと思っていますので、
今後も経営者のためにマネーフォワードの活用情報も
お伝えしていく予定です。

ただ、ツールとしてのマネーフォワードについて、
経営者に活用を強く推奨している一方で、
マネーフォワードを提供しているマネーフォワード社については、
あまり深く知らないかも、と思い、
定期的に同社の決算状況について整理をしていきたいと思っております。

 

昨日(2020年10月15日)、マネーフォワード社より、
2020年11月期第3四半期決算の発表がありました。

今回は、その内容をもとに、
同社の経営についてお伝えをさせていただきたいと思います。

 

直近の決算状況

まずは、最初に決算短信を見てみましょう。

 

 

いかがでしょうか?

ちなみに前回の第2四半期累計(6ヵ月間)では、

・売上高:5,214百万円(前年同期比:70.5%増加)
・EBITDA:△976百万円(前年同期:△1,426百万円)
・営業利益:△1,245百万円(前年同期:△1,558百万円)

でした。

 

今回は第3四半期なので9ヵ月間の数値となりますが、
6ヶ月間の業績だった第2四半期数値を
9ヵ月換算した数値とほとんど同じ印象です。

成長を期待している投資家からすると、
もしかしたら物足りない面はあるかもしれませんが、
順調に積み上げをしている数値として前向きにとらえてよいのではないでしょうか。

 

同社のビジネスはストック型の収益モデルで、
一度使ってみたら、離れられなくなるサービスなので、
広告宣伝には多額投資をしていますが、
今はまず新規獲得を増やしていくことが最重要課題という感じでしょう。

ちなみに「EBITDA」とは、

営業利益+減価償却費・償却費+営業費用に含まれる税金費用

と説明をされていますが、
要は「営業キャッシュ・フロー」と捉えてよいでしょう。

この「EBITDA」がプラスになると、
本業による「お金」の獲得が、支出を上回ると考えられ、
事業を継続する価値があることの証明になると思います。

 

マネーフォワード社の予定では、
来期の2021年11月期に「EBITDA」を黒字化することを目標に掲げています。

当期の「EBITDA」のマイナスは予定通りということですので、
その点で、順調な経営数値と言えるでしょう。

 

提供サービス一覧

次に提供サービスについて見てましょう。
この3ヵ月でどのような変化が起きたでしょうか。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

まず1つ目として、
入金消込・債権管理クラウドサービスの
「V-ONEクラウド」
が新しく追加されました。

この件については、
以前に以下でIR紹介をさせていただきました。

関連記事:【IR】株式会社アール・アンド・エー・シーの株式の追加取得(子会社化)

 

2つ目としては、
シード・アーリーステージのスタートアップを支援する
アントレプレナーファンドである
「HIRAC FUND」
が追加されています。

こちらについても、
以前に以下でIR紹介をさせていただきました。

関連記事:【IR】マネーフォワード社によるベンチャー投資・ファンド事業開始

 

2020年11月期第3四半期 ハイライト

次にこの3カ月(2020年6月~8月)の業績ハイライトについてです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

3Q累計売上高のうちBusinessドメインは、
前年同期比で「+61%」と依然として高い伸びを示しています。

また、広告宣伝費除くEBITDAは
黒字が継続している状況で、堅調な感じになってきた印象です。

 

さらに気になるところとして

好調な法人ユーザー獲得を更に加速させるべく、
4QはBusinessドメインでの大型マーケティング投資を
業績見通しのレンジ内において実行予定

とあるところです。

 

この「大型マーケティング投資」は気になりますね。

昨年にあった「10億円キャンペーン」のようなものが
またあるのかもしれません。

 

売上関連の詳細

次に売上関係の推移についても見ておきたいと思います。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

Businessドメインが堅調に伸びている様子です。
欲を言えば、もう少し高い伸びを示せればよかったのかもしれませんが、
ストック型のモデルなので、堅実な感じといえるでしょう。

ちなみに、Businessドメインの詳細は、
・課金顧客あたり売上高
・解約率(顧客数ベース)
・解約率
といった指標がいずれも改善しているとのことです。
詳細は以下の通りです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

売上総利益 / EBITDA

そして、気になる利益については以下の通りです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

3Q期間の売上総利益は、
2Q期間と同水準に落ち着いており、
伸びとしては若干物足りなさは感じます。

 

また、3Q期間のEBITDAですが、
2Q期間より改善はしていますが、
広告宣伝費を除くEBITDAは逆に、
2Q期間よりマイナスになっている感じです。

つまり広告宣伝費を少し抑え気味にしている結果、
EBITDAは改善はしているという状況のようです。

 

費用内訳(売上原価・販売費及び一般管理費)

そして費用の内訳推移は以下の通りです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

先ほどのEBITDAの説明でもありましたが、
広告宣伝費が2Q期間より減少している分だけ、
3Q期間のコストも減少している感じです。

広告宣伝費をコントロールすることで、
利益はいつでも出せる水準に来ているのは間違いないところですが、
やはりマーケットシェアを早めに獲得することがとても大切なので、
どうしても広告宣伝費はまだまだかけ続ける必要があるフェーズなのでしょう。

3Q期間は広告宣伝費を2Qよりおとした分だけ、
3Qの売上の伸びが低かったということにつながるのだと思います。

 

バランスシートの状況

次にB/Sです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

現預金は90億円以上で、
純資産は100億円以上ということで、
引き続き高い財務健全性を堅持している状況です。

決して悪い印象はありませんね。

 

ちなみに資産として
「のれん 3,668百万円」
というのが、現預金以外では一番大きいですが、
M&Aによるものだと思います。

のれんとして支払ったこの金額は、
M&Aをした会社の超過収益力の裏付けとしてものですので、
是非、予定通りの超過収益力の発揮を期待したいところです。

 

なお、余談ですが、
今後も海外での資金調達を前提として、
国際会計基準(IFRS)の適用を目指しているのではないかと思われます。

というのも、若干専門的なところですが、
IFRS適用前の会社でよくある
「固定資産の減価償却方法の変更」
を当期に実施しているようでしたので、何となくそう感じました。

このIFRS適用をした場合には、
多額に計上されている「のれん」の償却もなくなり、
普通に考えると利益要因となってきそうです。

 

制度変更と規制緩和によりクラウド化が加速

そして、以下のような説明もありました。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

菅総理大臣になって
よりデジタル化が促進されているなかで、
マネーフォワードはまさに事業環境としては追い風と言えるでしょう。

 

税法等のトピックスである
・電子帳簿保存法
・インボイス制度適用
・年末調整電子化
・社会保険電子申請義務化
といった法制制度の流れは、
はまさにマネーフォワードが大活躍できる領域です。

 

私の事務所でも、
マネーフォワードをフル活用して、
あらゆることをデジタル化していきたいと考えていますし、
クライアントにもできる限りデジタル化を推進していきたいと思っています。

そのために、
マネーフォワードには、開発を頑張ってもらって、
プラダクトをどんどんバージョンアップしていっていただきたいと思っています。

 

『マネーフォワード クラウドERP』を開始

プロダクトとしてこれから期待したい領域として、
「マネーフォワード クラウドERP」
についても今回の説明資料では大きく触れられています。

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

上図のような形で、
「マネーフォワードの世界観」が実現されれば、
本当に無敵になっていけると思っています。

とくにこれからIPOを目指していきたい会社や、
それなりの規模の中堅企業は注目です。

 

これからマネーフォワードとしても、
中規模以上の企業への展開を拡大していく予定のようですし、
これまでハードルの高かった全社的なシステム導入が、
クラウドで、かつ、低予算で実現できる時代が来たといえます。

成長企業支援をしている私としても、
待ちに待った状況です。

 

以下の図に示されているように、
今後のいろいろなプロダクトの連携が幅が広がり、
本当に可能性が広がっていきそうです。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

直近の売上の伸びが鈍化しているといった声も
株式市場では聞こえてきますが、
中長期的には、マネーフォワードが、
「最強のクラウド会計としてのポジショニング」
を確保していることは間違いないと信じています。

 

ちなみにCMとして以下が制作されています。

【マネーフォワード クラウドERP】テレビCM バックオフィスの本音「ERP」篇

 

 

今後のプロダクトリリース予定

参考までに今後のプロダクトリリースの予定についても
触れておきたいと思います。

①MoneyForwardクラウド債務支払(2021年春予定)

取引先からの紙、または電子(PDF)の請求書をワークフローで承認を実施。
承認が完了後、APIまたはCSVで振り込みの登録が可能です。
会計ソフトへの連携は、APIまたはCSVで仕訳データを出力します。
また、分析機能で支払の状況を取引先ごとなどの分類で確認可能です。

個人的には、これは是非活用したいところです。
業務プロセスに上手く組み込むことで、
完全なデジタル化が実現できるイメージがもてます。

 

②MoneyForwardクラウド債権請求(2021年春予定)

受注から入金管理まで債権管理に関わるすべての業務を一元管理。
会計ソフトやその他CRMツールなどとも自動連携。

こちらは「販売管理システム」ですね。
受注から入金管理までできたうえで、会計に連動できるとのことで、
IPOを目指す会社等は是非注目していきたいプロダクトですね。

Salesforce等から情報を取り込みながら、
データの一元管理ができるとのことですし、
これも魅力的なサービスとなりそうです。

 

③MoneyForwardクラウド固定資産(2021年春予定)

固定資産管理、減価償却・減損処理など、固定資産に関わる業務をクラウド上で完結。
会計ソフトと自動連携。

これまで、固定資産管理機能がなかったのが、
弥生会計と比べるとマネーフォワードのデメリットでしたが、
このプロダクトによって、このデメリットは解消しそうです。

 

④MoneyForwardクラウド人事管理(2021年予定)

従業員情報や人事異動情報の一元管理が可能になる人事DBサービス。
他サービスと連携し、人事労務業務を一気通貫で。

こちらについては、イメージがわくのですが、
現時点で、MF給与、MF勤怠、といった人事系のプロダクトがあるので、
そちらとのすみ分けが気になるところです。

おそらく、それなりの規模感の会社で要望のある機能だと思われます。

 

成長投資並びに黒字化の方針

最後に、マネーフォワード社としての
成長投資と黒字化の方針についての内容です。

 

(2020年11月期第3四半期決算説明資料より)

 

上記は、以前から伝え続けている内容と同じですが、
やはり注目すべきは、

・2021年11月期にはEBITDA黒字化を達成
・早期の東証一部・プライム上場を目指す

という点でしょうか。

 

あと1ヵ月ちょっとで、
マネーフォワード社としての2021年11月期も始まります。

上記目標が達成できるのかどうか。
期待したいところですね。

 

最後に

ということで、
今回は昨日(2020年10月15日)公表された
マネーフォワード社の2020年11月期第3四半期決算の資料に基づいて、
同社の状況のレビューをさせていただきました。

 

当サイトが発信している
「月次決算のスピード化」
の仕組み作りには、
マネーフォワードは欠かせないツールとして位置付けていることもあり、
同社の動きには、個人的にとても関心を寄せています。

その意味もあり、
同社の決算の状況やIRの状況は、
今後も定期的にレビューをしていきたいと思っております。