
この記事は当初2020年7月30日に投稿した記事になります。
※株式会社マーフォワードより適時開示されている「「マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社」設立及びファンド事業開始のお知らせ(2020年7月29日)」をもとに情報を整理しています。
内容
●ベンチャー投資用の子会社設立
●ファンド事業開始
概要
●株式会社マネーフォワードは、 100%子会社として、
ファンド事業を行う「マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社」を設立し、
シード・アーリーステージのスタートアップを支援するアントレプレナーファンド
「HIRAC FUND」の運用を開始した。
アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」を設立
●株式会社マネーフォワードのグループ会社である
マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社(MFVP)は、
シード・アーリーステージのスタートアップを支援するアントレプレナーファンド
「HIRAC FUND(ヒラクファンド)」の外部投資家向けの募集を開始し、
ファーストクローズのファンド総額が12.3 億円となった。
●今後、ファイナルクローズ時において、
累計で最大 30.4 億円のファンド組成を目指している。
●当ファンドは、テクノロジーによる社会課題解決を目指す
シード・アーリーステージのスタートアップに特化したアントレプレナーファンドである。
企業の急成長を牽引してきたスタートアップ起業家や経営陣など 25 名以上が
LP(リミテッドパートナー)として参画し、コミュニティイベント等にて、
さまざまな知見を共有する。
●当ファンドでは、MFVP代表パートナーにスマートキャンプ社代表取締役社長、
マネーフォワード社取締役執行役員CFOの2名が就任し、
起業家・ 経営者としての経験にもとづいた支援を実施する。
●さらに、マネーフォワード社の人事、営業、広報、R&D 領域の
責任者を務めてきたメンバーもチームに参画し、
世の中に新たな価値をもたらすスタートアップ企業をハンズオンで支援していく。
●また、当ファンドのファーストクローズにともない、
当社及びMFVPは、株式会社ジャフコと業務提携契約を締結した。
ジャフコとマネーフォワード社及びMFVPで、
スタートアップ企業支援プログラムの共同開発を行っていく。
加えて、ジャフコは、当ファンドへのLP出資ならびにファンド運営の支援を行う。
VC事業開始の経緯と実現したいこと
●国内VCによるベンチャー企業への投資は直近5年間を比較すると増加傾向にある。
●大手事業会社を中心としたコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や
銀行による出資も活発化しており、スタートアッ プの資金調達における選択肢は拡大している。
●MFVP代表パートナーは、スマートキャンプ株式会社の創業者であり、
2019年11月にマネーフォワードグループにジョインした。
●MFVPでは多くの起業家の協力のもと、
資金面だけでなくあらゆるノウハウを提供する。
●創業間もないスタートアップ支援をさらに強化していきたいという想いから、
ファンドビジネスを開始するに至った。
また、同社の知見やネットワークをスタートアップ業界に還元することで、
世の中を変えるアイデアの実現をサポートしていく。
Review
マネーフォワード社によるベンチャー投資について、
昨日IRが出ていたので、その内容をご紹介いたします。
マネーフォワード社は、
もともと個人のお金の管理から始まり、
その後、法人の会計ソフト分野に進出してきました。
そして、クラウド会計分野では、
No.1にまで上り詰めている印象ですが、
ここ最近は、このクラウド会計領域の質を高めつつ、
周辺領域のサービスを強化していっている印象です。
同社のミッションには、
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」
とあります。
——————————————-
お金と前向きに向き合い、
可能性を広げることができるサービスを提供することで、
ユーザーの人生を飛躍的に豊かにして、
より良い社会創りに貢献していくこと
——————————————-
これが同社の考え方です。
このミッションの実現に向けて、
いろいろなサービス領域を広げていき、
最近は「金融」的な領域にまで拡大をしてきました。
ファクタリング的な事業や、
投資家向けにスタートアップ企業の
株式売却アドバイザリーを実施するなどの展開に続き、
今回は、ベンチャー投資の領域にまで拡大をしてきました。
扱うお金のボリュームも大きくなってきています。
まだまだマネーフォワード社としては赤字の経営状態のようですが、
このように事業領域を拡大できているのは、
同社のミッションである「お金」領域について、
コツコツと事業展開をしてきたからだと思います。
今回のベンチャー投資の事業にも、
名だたる経営者やエンジェル投資家の協力があるとのことで、
これだけのビッグネームが集まるのも、
みんなマネーフォワード社に期待をしているからだと思います。
マネーフォワード社の強みとしては、
個人的には、やはり、
「クラウド会計」
という強い武器を持っていることだと思っています。
ビジネスで成功している人は、
会計分野の管理ソフトは、
とても重要なツールであると認識しているはずです。
ここを押さえている同社は、
とても強いと思っています。
時代の中心になりつつある
クラウド会計領域でNo.1になっている同社には、
いろいろな情報が今後集まってくると思います。
すぐに収益化しなくても、
我慢強く、クラウド会計というビジネスインフラ構築に力を注いできたことが、
同社の強みに大きく変わってきたように感じています。
今後どのような展開になっていくのか興味深いところです。
追記:2025年4月(HIRAC FUND のこれまで)
前回にこの記事を書いてから約5年が経過しています。
その後、同ファンドはどうなったかを簡単にアップデートしておきたいと思います。
年月 | 主な出来事 | ファンド規模・ポートフォリオの動き |
---|---|---|
2020 年 7 月 | Money Forward の VC 子会社「マネーフォワードベンチャーパートナーズ(MFVP)」が HIRAC FUND を組成(1号ファンド)。起業家 25 名超が LP として参加。ファーストクローズは 12.3 億円 | 株式会社マネーフォワード |
2020 年 12 月 | 1号ファンドを総額 30.4 億円 でファイナルクローズ。初期投資として WRAY/TENTIAL/Go Visions などに出資 | 株式会社マネーフォワード |
2021–22 年 | 1号ファンドからの投資が加速し、累計 25 社超 へ。投資テーマは DX・SaaS/Fintech・サステナビリティなど | TOKYO GEEKS |
2022 年 12 月 | 2号ファンドを設立しファーストクローズ(約 60 億円 規模を目標)。地域金融機関が積極参加し「地方創生」を打ち出す | 株式会社マネーフォワード |
2023 年 12 月 | 2号ファンドが 90.8 億円 でファイナルクローズ。LP は全国の地銀や事業会社、著名アントレプレナーへ拡大 | 株式会社マネーフォワード |
2024 年 | – 地銀×スタートアップ共創拠点 「Key Site」(紀陽銀行・ATOMica と協業)を発表 – 出資例:地方創生 SaaS「TRUSTART」、フードテック「まん福ホールディングス」など |
株式会社マネーフォワードプレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES |
2025 年 3–4 月 | – Clear(SAKE HUNDRED)への増資ラウンドをリード – MagicPod(AI テスト自動化)、ピックユー(インフルエンサー特化フリマ)へ新規出資 |
プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMESプレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES |
現状スナップショット(2025 年 4 月時点)
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運用総額:1号 30.4 億円 + 2号 90.8 億円 ≒ 121 億円規模
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投資先社数:公開ベースで 30 〜 35 社(Tracxn 集計)
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重点領域:DX/SaaS・Fintech/サステナビリティ/Web3
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特徴:
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起業家 LP コミュニティによるハンズオン支援
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地域金融機関と連携した「地方創生型 VC」色を強化
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マネーフォワード・グループの事業シナジー(バックオフィス SaaS 等)の活用
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ざっくりまとめると…
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設立 5 年で 2 本・121 億円規模へ拡大
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シード〜アーリー特化ながら、地方創生×DX を前面にした 2 号ファンドが急伸。
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投資実績は30社超。直近は MagicPod など AI/DevOps 領域にも踏み込む。
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起業家コミュニティ+地銀ネットワークという 二層の LP 基盤 が独自色。
「Money Forward の事業リソース × 地域金融機関 × 起業家知見」を梃子に、2025 年も地方発スタートアップ支援をさらに広げる方針です。
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