Vol.7 月次決算スピードが速い会社ほど、会社の成長速度が速い

上場会社に学ぶべき1つのこと

企業が成長、拡大していくと、
その延長線上として
株式上場を目指す会社も少なくありません。

株式上場をするかどうかは、
経営者の判断によりますので、
企業として成長し、拡大をしていても
株式上場を望まない経営者もいるでしょう。


株式上場がすべてではありませんし、
上場会社が未上場会社と比べて、
絶対的に素晴らしいというわけでもないと思います。

 

私自身の業務においても、
未上場のクライアントもありますし、
上場会社及び上場を目指すクライアントもあります。

それぞれで求められるニーズは異なるため、
両者の業務を単純に比較することはできません。

それぞれ全く異なるニーズがありますが、
どちらも、それぞれの面白みがありますので、
上場会社や上場準備会社に関連する業務の方が
未上場の会社に提供する業務より「上」という価値観はありません。

但し、1つだけ
「この点は上場会社に学ぶべきだな」
と感じる点があります。

それは、

上場会社は「月次決算スピード」が速く、
そして「月次決算スピード」にこだわっている

という点です。

 

株式上場のための条件

株式上場をするためには、
いろいろなハードルをクリアしていく必要があります。

当然、事業として拡大し、
今後も成長し続けられるという
経営力は必須条件になりますが、
それだけでは上場はできません。


株式上場をするためには、
業績が良いだけでは不十分で、
それを支える管理機能・組織が整備されていないと、
上場審査を通過できないのです。

 

株式上場を目指すほとんどの経営者は、
この点を当初はイメージできないので、
この管理コストを知っただけで、
上場に対する意欲がトーンダウンすることもしばしばあります。

管理にかけるコストが、
おそらく1ケタ(状況によっては2ケタ)、
増えると思います。

そこまでの管理コストをかけてでも上場するには、
今まで以上に利益を出さないといけません。

 

その意味で、
株式上場を決断した経営者は、
管理にお金をかけるという「勇気」を出したといえますので、
そのこと自体は素晴らしいことだと思います。

但し、
このような管理体制整備を決断した経営者が
最も苦しむべき項目が、

月次決算の早期化

というテーマになります。

 

株式上場をするまでに、
この課題をクリアし、体制整備することが必要なので、
必然的に、上場会社の「月次決算スピード」は速くなります。

未上場会社の経営者にとっても、
この「月次決算スピードを速くする」というテーマに
挑戦することを決断し、実際にそれを実現して、
投資家の期待に応え続ける努力をしている姿勢については、
素直に上場会社に学びたい点になります。

 

会計情報の作成サイクル

会計情報をまとめる期間の単位として、
いくつかの考え方があります。

どの会社でも最低限必要になるのは
年1回」の決算です。

こちらは会社法や税法のもと、
基本的には年度の決算をまとめ、
報告・申告する必要がありますので、
どの会社でも実施していると思います。

 

次に、目安となる単位としては、月に1回の決算です。
いわゆる「月次決算」と言われるものです。

但し、法律で「月次決算」が
義務化されているわけではありませんので、
この「月次決算」に対するスタンスは、
各企業の会計に対する考え方が如実に表れてきます。

 

経営のなかで「会計」を活用している会社は、
月次決算をスピード感もって実践している会社になるでしょう。

一方で、
経営のなかで「会計」を活用しない会社にとっては
わざわざ月次決算を迅速に実施することに労力をかけるのは、
無駄なことだと考えていると思いますので、
状況によっては「月次決算」自体をしていない会社もあります。

 

さらに「月次決算」の延長線上として、
企業によっては「週次決算」「日次決算」というレベルまで、
会計スピードを上げて仕組み作りをしている会社もあります。

ニトリは週次決算をベースにしていたり
ソフトバンクやファーストリテイリングは日次決算に
取り組んでいるといったような記事を見かけます。

つまり、企業が成長し、拡大していく過程で、
多くの会社が「決算のスピード」の重要さに気づき、
積極的に経営に活用していると言えます。

 

その結果として「年次決算」「月次決算」になり、
そして「月次決算」「週次決算」になり、
最終的に「日次決算」レベルまで進化して
経営と会計・決算を一体化させているという感じです。

 

まとめ

今回のまとめはシンプルではありますが、
以下の原則があるということです。

それは、

成長し、拡大し続ける会社は、
例外なく「月次決算スピード」が速い

ということです。

 

このことは表現を少し変えると、

月次決算スピードを速くすれば、企業は成長・拡大していける

と言えるということです。



もし「月次決算スピード」
これまで興味がなかった経営者は今からでも遅くありませんので、
だまされたと思って「月次決算スピード」にこだわってみてください。

とても面白いことが起きると思いますので。

 

参考