前回の続き
前回に引き続き、
マネーフォワード社の状況について、
直近の決算発表時の資料を基に確認をしてみたいと思います。
提供サービス一覧
まず、同社が提供しているサービスの全体像は、
以下のような説明があります。
同社は、創業から8年が経ち、
提供するサービスも広がってきています。
そして、事業ドメインとしては、
主に4つの部門でビジネスを展開しています。
具体的には以下の4つになります。
①Money Forward Business
「ビジネスの成長を加速させる。」というミッションを掲げて、
主にクラウドサービスを中心に提供
②Money Forward Home
個人向けのサービスを提供
③Money Forward Home
金融機関を顧客にしてサービス提供
④Money Forward Finance
「お金をいい方向へと動かす。」というミッションを掲げてサービス提供
どれも関連性のある事業だと思いますので、
今後は各ドメインにおける強みを融合していきながら、
事業シナジーを出していく展開になっていくと思います。
また、それぞれの事業について、
これからの「With/Afterコロナ時代」における
方向性については以下の説明図がわかりやすいです。
同社では、
企業活動のクラウド化、個人向PFM、
金融機関向けソリューションの提供など、
従来からいろいろとDX推進を行なっています。
これからの「With/Afterコロナ時代」においては、
ユーザーへ価値を提供できるサービスを
さらにしっかり作って届けていくとの方針です。
売上高推移
次に、同社の売上の詳細について、
もう少し確認をしていきたいと思います。
こちらについても、
同社の説明会資料がわかりやすいので、
以下の図を引用させていただきます。
売上高は毎四半期ごと
過去最大を更新している様子です。
なかでも、
とくに成長率が高いのが
「Money Forward Finance」
とのことです。
以前に記事でも紹介させていただいた
MF KESSAIのサービスが順調なのかもしれません。
また、こちらの図もわかりやすいと思いますが、
BtoB売上高が成長要因になっているとのことです。
一方で、
Money Forward Homeの成長率は、
他部門と比べてまだ成長率が低いところあるようで、
同社としても課題であると認識されています。
売上総利益/EBITDAの概要
さらに、利益面を見てみますと、
以下の説明会資料がわかりやすいと思います。
売上総利益は、順調に増加していて、
過去最高を更新していますが、
そのなかでも特筆すべき点としては、
今回、広告宣伝費を除くEBITDAが黒字で着地している点です。
今は、シェア拡大のために
積極的に広告宣伝にも投資をしているステージだと思いますが、
今後、安定していくステージにおいては、
広告宣伝費の比率が減少すれば、
利益体質になっていくと予想されます。
B/Sの概要
最後に、B/Sの状況も確認しておきましょう。
赤字が続いており、投資もしているところから、
資産・負債の状況も気になるところだと思いますが、
説明会の資料によると、バランスシートの概要は以下の通りです。
現金および預金と純資産は100億円以上を
確保しているということで、
引き続き高い財務健全性を堅持している模様です。
なお、「MF KESSAI」の買取債権が約22億となっており、
短期借入金のところも「MF KESSAI」に
関連するものが多くなっているとのことです。
お金に関連する事業を展開していく同社にとって、
金融的な要素の強いビジネスも、
今後は大きく展開していくものと思います。
ただ、少し前に、MF KESSAIの事業で
買取債権の貸倒引当金計上のリリースを見かけました。
今後、取扱高が増えていくことを考えると、
このような金融面のリスク管理も
重要なテーマになってくると思います。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
マネーフォワード社自体の事業概要や財務状況は、
イメージできましたでしょうか?
今後の同社のサービス向上を期待するうえでは、
同社の経営状況も大きく関係すると思い、
いくつかの視点でご紹介をさせていただきました。
ざっくりまとめると、
といった感じでしょうか。
今後の展開に期待したいところです。