パレートの法則
パレートの法則は、
いろいろな場面で語られます。
いわゆる
「80:20の法則」
です。
ビジネスのなかでもよく用いられる有名な法則ですが、
たとえば、
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・売上の80%は、全顧客の20%が生み出している
・商品の売上の80%は、全商品のうちの20%で生み出している
・仕事の成果の80%は、投入した時間の20%の時間で生み出している
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といったような法則です。
私自身、20年にわたって
いろいろな会社の財務数値を見てきていますが、
不思議と、この法則は当てはまります。
残酷な現実ではありますが、
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費用は、収益に応じて発生するものではありませんし、
また、費用に応じて収益が発生するものでもありません
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経営者としては、とても悩ましい問題ですね。
経営においても「80:20の法則」
多くの経営者は、このことを感覚的には
わかっているのではないかと思いますが、
採算の悪い残り80%の部分をやめられない、やめたくない、
というのも事実ではないでしょうか。
これには事業の幅を広げておくことによるリスクヘッジや、
将来的な事業拡大等の思いもあると思います。
また、先行投資期間というのもありますし、
今の採算だけで判断できないことも多いと思います。
但し、
「やめるときは、スパッとやめる」
という決断も経営者としては重要です。
このような重要な意思決定をするうえでも、
まずは、きちんと現状把握できている必要があります。
そのためには、会計情報として、
きちんと部門別損益・事業別損益の数値を集計できる形には、
しておく必要があるということです。
部門別数値を作るための社内の仕組み
このような部門別・事業別の会計数値管理ですが、
意外と実現できていない会社が多いものです。
そして、そのような会社の多くは、
税理士に会計入力を丸投げしていることが多い印象です。
このサイトでは何度も繰り返しお伝えしていることではありますが、
会計入力を税理士に丸投げする形は、あまり好ましくないと思います。
なぜかというと、
会社のことは会社内部の方が一番把握しているので、
やはり会社側で会計数値作成をできた方がよいからです。
税理士に入力を丸投げしていると、
思っている科目と異なって数値が出てきたり、
部門別で数値を見れなかったり、
タイムリーに数字が出てこなかったり、
といったことが起きてしまいます。
これは顧問税理士が悪いわけではなく、
依頼する会社側の問題でもあるのです。
きちんと管理したい方法で情報を伝えれば、
税理士側でもきちんと入力はできるかもしれません。
但し、そこまでするなら自社内で数値入力・作成した方が
効率的であることに気づくはずです。
結局、経営管理に会計数値を使いたいのであれば、
会社内部できちんと会計数値入力できる仕組みを作り、
独自の管理方法を試行錯誤していくことが重要で、
このプロセスのなかで会社の経営管理能力が磨かれるのです。
経営者は、感覚ではなく、具体的な会計数値で
部門別・事業別損益を把握できる仕組み、
それもタイムリーに把握できる仕組みは、
経営にとって不可欠です。
そして、経営者としては、
どの事業が収益性が高く、どの事業の採算が悪いかを、
感覚的にではなく、具体的に確認する必要があります。
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感覚的にわかっているものでも、
数字で具体的・客観的に見えるようになると、
意思決定ができるようになります
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やめるにしても、続けるにしても、
経営者として「意志」をもって決めるべきです。
なんとなく続ける、といった状況はと好ましくありません。
仮に収益性が悪い80%の方の事業だったとしても、
事業別の採算について、過去の推移や現状について
具体的・客観的な数値を見たとしても、
意志をもって「続ける」というのであれば、
それは、経営者としての意思決定をしていることになります。
補足:マネーフォワード部門設定
たとえばマネーフォワードの設定においても、
事業部別をどのようにわけるか、といった設定もあったりします。
マネーフォワードでの最初の経営者の関与は、
もしかしたら、この「部門設定」の部分になるかもしれません。
是非、経営者として積極的に関与して、
マネーフォワードでの経営管理の仕組みのベースも
構築していってもらえればと思います。
この切り分けをどうするべきか考えだすと、
結構面白いものですよ。