クラウド会計の次は?
会計スピードを速めるために、
クラウド会計の活用について
前回お伝えさせていただきました。
是非、マネーフォワードを活用していない会社は、
試しに利用してみてもらえればと思います。
(30日間は無料で利用できる思います)
そして、
このマネーフォワードを利用していくと、
次に話題になってくるテーマの1つとして、
紙ベースの書類の必要性が出てくることが多いです。
そこで、今回は、
「紙ベースの書類の保存」
についてお伝えさせていただきたいと思います。
領収書は捨てても良いか?
「領収書や請求書といった証憑類の整備や保存が手間なので、
なんとかできないですか?」
「スキャンして、原本破棄してもよいですか?」
このような質問はよくされます。
とても気持ちはよくわかります。
クラウド会計への移行をしている会社の場合、
データ化される分野が増えるため、
よりこのようなニーズは増えてくる傾向にあります。
電子化が進んでいる世の中で、
電子的に保存しておけば、
紙ベースの証憑類は破棄してもよいのではないか?
このように考えるのも自然なことですし、
私もそれでよいのではないか、と直感的には思います。
但し、残念ながら今の法制度(税務のルール)では、
原本保管が原則になっています。
税務上のルールがかなりガチガチで、
原本保管を廃止するのは相当ハードルが高いというのが、
実情といえるでしょう。
原本を絶対に破棄できないわけではないのですが、
そのためにはいろいろとクリアしないといけない
高いハードルがあるという状況です。
電子帳簿保存法
あるクライアントで
マネーフォワードを導入したばかりの会社で、
昔、このようなことがありました。
「マネーフォワード経費機能を使って
領収書をスキャンするだけになって楽になりました」
「そうですか、それは良かったです。
運用していけそうですか?」
「はい、これならこれから楽になります。
領収書も保管しなくてよくなったので。」
「領収書はどうされました?」
「捨てました。捨てて良くなるんですよね?」
「・・・。実は原本はまだ保管が必要なんですよ。」
「え?スキャンしたから捨ててよいのではないのですか?
原本保管が必要なら、スキャンしてもあまり意味ないじゃないですか?」
「確かにそうなんですよね、今の制度では原本保存が必要で・・・」
「えー、じゃあ逆に手間が増えるだけですね・・・」
便利電子化ツールがいろいろと宣伝されるなかで、
税務的な法制度は専門家でないと細かくは把握していないため、
どうしても良い面ばかりがクローズアップされます。
この紙ベースの書類の原本保存は、
その最たるものといえるでしょう。
厳密にいうと、
原本保管を無くすることができるような制度はあるのですが、
それを適用するのがとてもハードルが高いのです。
この高いハードルである制度こそ
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電子帳簿保存法
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です。
この響きを聞くと、とても期待をするのですが、
実際に、この「電子帳簿保存法」に対応しようと思うと、
とても大変なので、99.9%の企業が諦めます。
結果的に、
この電子帳簿保存法を適用している会社は、
日本全国でもごくわずかになっています。
電子化をどう考えていくべきか?
マネーフォワードをツールとして活用すれば、
一定レベルは会計スピードをあげていくことができます。
但し、それだけでは物足りません。
マネーフォワードを活用しきることで、
業務の見直しをして、効率化・合理化を図るところまで
せっかくなのでもっていきたいところです。
その1つとして、
証憑類の電子保存化は
是非実現したいところです。
電子化することで、
紙の保存が不要になり省力化されますし、
あとで証憑類を探したりする際にも
アクセスが効率的になります。
また、
今の時代にあった働き方にも
マッチするようになります。
紙の運用が残っていると
リモートワーク・在宅勤務に支障がでますので。
時代の流れ、経営的なことを考えても、
証憑類の電子保存化は絶対にトライをすべきだと思います。
先ほどお伝えしましたが、
「電子帳簿保存法」はかなりハードルは高いのは事実です。
最初は苦労するかもしれません。
でも、やはりチャレンジする価値のあるものです。
このハードルにチャレンジすることで、
業務の見直しにもつながることもありますし、
より会計スピードも上がり、経営スピードも上がるはずです。
ということで、
今後の、この「電子帳簿保存法」についても、
お伝えをしていきたいと思っています。
コロナ対応の世の中で、
あらゆる面で電子化が急速に進んでいるので、
きっと「電子帳簿保存法」のルール緩和もされてくるはずですが、
それを待たず、是非早めに検討をしてみていただきたいと思います。
早めに検討をしておけば、
実際に今は制度対応が難しいと判断したとしても、
ルール緩和された際には、一気に対応判断ができる場面もあると思いますので。