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Vol.107 予算管理と月次決算の関係

  • 2021.1.31

2021年度の最初の月次決算

本日で2021年の1月も終わります。
私の事務所は12月決算になりますので、
当事業年度の最初の月次決算になります。

私も当然、マネーフォワードを使用して、
リアルタイムに月次決算を実施できておりますので、
先ほど月次数値が固まりました(リアルタイム月次決算です)。

 

1月の月次数値結果ですが、
前年同期と比べると、
・売上高:13.6%減少
・利益:10.0%減少
という結果になりました。

減収・減益です・・・。

 

もともと計画していた感じの数字ではありますが、
やはり実際に月次決算数値が確定し、
数字を見て、前期との比較を細かく科目ごとに見ると、
気づくことも多いものですし、不安は減り、
新たに何をすべきかが改めて見えてくるものです。

 

前期比較分析の背景

前年同期と比べると、
減収・減益である点は良い話ではないかもしれませんが、
そこに合理的な理由があることが重要な点になります。

つまり、

————————————–
もともと想定していた結果なのか、
それとも想定外の結果なのか
————————————–

という点が重要です。

 

ちなみに、売上高の減収の原因には2点ありまして、
そのうち1点は2020年のコロナの影響が少しは生じています。

 

但し、影響が大きいのは、もう1つの理由になります。

それは、昨年2020年は、戦略的に、
一部のクライアントの業務を辞退させていただいた背景があり、
これが減収の一番大きな理由です。

 

2020年のように
コロナといった緊急事態が起きたときに、
いろいろと見えてくるものも多かったです。

 

たとえば、
採算度外視でサポートをしてあげたいクライアントなのか、
事務所としての売上をおとしたとしても断っていくべき仕事なのか。

私のなかの倫理観と合わなくなってきた経営者や、
私の方で考えているデジタル化の思いについて興味がない経営者については、
私の事務所より、もっと適した専門家がいるだろうと考え、
そのあたりをきちんとクライアントと協議したうえで、
業務を辞退させていただきました。
(このような時代に、業務を辞退するのは勇気がいるのは事実なのですが)

 

当事業年度の最初の月から
前期比減収という状況になってしまいましたが、
自分で選んだ決断の結果としての減収なので、
もともと想定内のことがリアルな数値として見えた、
という感じになります。

 

前年比較も大事だが、より大切なのは?

実績数値分析としての前期比較分析は、
いろいろと気づけるものも多く有用ですので、
是非、タイムリーに実施する仕組みは、経営者であれば整備しておきたいところですが、
前期比較分析以上に大切な分析視点があると考えています。

それは、
「予算との比較(予算管理)」
です。

 

予算については、
未来の活動に対する「意志」を「定量化」したものになります。

そのため、
予算と実績をタイムリーに比較・分析すること、
つまり、「予実比較分析」は、
過去実績数値と現在実績数値の比較である「前期比較分析」とは異なり、
自ら掲げた意志との比較になるため、
とても重要な意味をもちます。

予算を達成するということは、
自分の意志を実行できたかどうかを
表すことになりますので。

 

ちなみに、私の事務所の今年の1月の月次数値は、
前年同期比では減収減益となりましたが、
もともと想定していた予算と比較するとほぼ同じ結果になりましたので、
その点では、なんとか踏ん張れていると個人的には感じております。

 

月次決算の先にこそ予実管理がある

ということで、今回は、
私自身の事務所の「月次決算」と関連して、
・前期比較分析
・予実比較分析
について記載をしてみました。

 

どちらの分析も、
それぞれ意味のあるものであり大切ですが、
より「予実比較分析」の方が重要である点を
今回はお伝えさせていただきました。

 

ただ、この予実比較分析をするには、
きちんと月次で予算を作成していること大前提になります。

 

そして、この月次での予算作成するためには、
タイムリーに月次決算をできる体制があることが
必要だと考えております。

タイムリーに月次決算を組める会社で、
きちんと前期比較分析や月次推移分析ができる会社は、
未来についても、月次ベースで予算を作る能力が、
自然と身についているものですので。

 

よく、
「予算を作りたいです」
「事業計画を作りたいです」
といったご要望を経営者からいただきます。

ただ、そのような経営者に現状を確認させていただくと、
「今」をタイムリーに見える化できない状況や
月次決算をおろそかにしている状況が結構あります。

 

そのため、そのような会社については、
まずは月次決算の早期化の必要性をお伝えしています。
「今」を見える化できる力がないと、「未来」をきちんと具体化・定量化は難しいと思いますので。

 

仮に、「今」の月次決算をおろそかにしている会社が、
未来の計画を作成したとしても、
きっと、それを実現するための運用が追いつかなかったり、
まったく絵空事のようなものになったりするものです。

そのため、
もし事業計画や予算といった「未来」を具体化したければ、
まずは「今」をタイムリーに具体化するために、
月次決算に目を向けることが結局は近道だと思っています。

 

 

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