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Vol.68 社員の行動を変える人事評価と月次決算

  • 2020.11.14

人事評価と月次決算

社員がモチベーションをもって活動するために、
きちんとした人事評価を整備することと、
それに基づいた給与や賞与の支給を行うことは重要です。

会社としてもいろいろな都合はあると思いますが、
経営者自身が、きちんと社員ことを考え、
社員の評価に真摯に向き合っていかないと、
社員の定着・成長を望むことは難しいと思います。

 

そのためにも、
まずは会社としての人事評価の制度を作り、
それを社員にきちんと共有することが重要です。

完璧な制度を作ろうとすると難しいと思いますが、
不完全ではあっても、今できる範囲で人事制度を整備し、
それを社員に見える化しておくことで、
社員も納得感を感じることができますので。

 

定量目標として最適なのは?

人事評価の基準を作る際に、
定量目標を設けることは重要になります。

社員のすべての行動に定量目標を設定することは難しいかもしれませんが、
定性的な目標だけだと、評価しようと思っても
主観的な評価になりがちなので、達成したかどうかが不明確になってしまいます。

定量目標を設定することができれば、
目標を達成できたかどうかが明確にできるため、
可能な限り定量目標は設けておいた方がよいでしょう。

 

但し、この定量目標を決める際には
留意すべき点もあります。

それは、

個人の定量目標だけでなく、
会社全体の定量目標と個人の評価を紐づけた設計にする

ということです。

 

というのも、
個人目標の達成だけを基準にした人事評価制度にしてしまうと、
社員が自己中心的な思考になったり、
会社のことや同僚のことを考えない思考になりかねないからです。

きちんと会社全体の数値目標と
個人の評価を紐づけできるような制度設計を考え、
「会社の目標を達成=個人の目標も達成=給与・賞与アップ」
といった仕組みを作れると望ましいといえます。

 

月次決算で目標までの距離を見える化

このように、
会社への貢献が社員自身への評価にもつながるような
制度設計を考えるのは経営者の役割といえます。

但し、このような制度設計ができたとしても
その運用が上手くいくように仕組み作りができていないと、
社員から不満の声が多くなってしまいます。

 

たとえば、定量目標を設定していたとしても、
会社の現状がどのような数値状況であるかが見える化されていないと、
会社の目標があとどれくらいで達成できるかがわからず、
社員の行動計画もあいまいになってしまいます。

ここで重要な役割を担うのが、
「月次決算」
といえるでしょう。

 

月次決算を迅速に終わらせ、
月次の数値状況を社内にきちんと見える化しておくことで、
社員は、現状把握ができ、目標に向かって
PDCAサイクルを回していけます。

つまり、月次決算は
社員が活動を行っていくうえでの
「スコアボード」の役割を担っているといるのです。

 

スコアボードとしての月次決算

人は、スコアボードがあることで、
現状把握ができ、目標に向かって頑張ることができます。

 

たとえば、野球でもスコアボードがあるから成立します。

今、何回で、何点負けているかがわかるスコアボードがないと、
残りがあとどれくらいで、何点とらないといけないかが明確にならず、
どの程度、どのように頑張ればよいかがわかりません。

 

月次決算をタイムリーに実施していると、
この「スコアボード」としての役割を担ってくれますので、
目標までの差が月次ベースで見える化され、
社員も何をすべきかが明確になります。

たとえば、
「あと3ヵ月で、売上を1億円、利益を3,000万円増やす必要がある」
といったことが見える化されるだけで、
社員は会社の現状把握ができ、今、自分が何をすべきかを考えることができ、
その後の行動が変わってきます。

 

そして、
この会社のスコアボードである月次決算数値をペースメーカーにしながら、
会社の目標達成することが最終的に個人の目標も達成できる、
といったようなストーリーになっていれば、
きっと社員も納得感があり、モチベーションを保ちながら、
日々の活動をしていけると思います。

そのため、「月次決算」をスピーディーに実施して、
社員が会社の現状把握をできる体制にしておくことは、
とても重要だということです。

 

 

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