戦略実行
戦略を立てても、うまく実行されずに
悩まれている経営者は多いのではないかと思います。
よく言われることとして、
という考え方があります。
情報化社会のなかで戦略がコモディティ化している現在において、
この考え方は正しいのではないかと思っています。
戦略で差別化を図るのは容易ではないため、
結局、差が生じるのは「実行力」になるということです。
それでは、成功している会社は、
どのように「実行力」を実現しているのでしょうか?
会社によって工夫はあると思いますが、
多くの会社で「月次決算」を上手く活用していると思っています。
それも、「実行力」の高い会社ほど、
月次決算のスピードが早いのは間違いありません。
そこで、今回は、
「戦略実行」と「月次決算」の関係について、
お伝えしたいと思います。
月次決算こそ戦略実行の重要な仕組み
まず最初に
「なぜ月次決算と実行力が関係するのか」
について、結論をお伝えしますと、
の2点が大きいと考えています。
月次決算を行うと、
必ず月次という定期的なタイミングで、
定量化されたもので現状の見える化がされます。
人間は、あいまいだと
なかなか行動ができないものですが、
状況が明確になれば、逆に動き出すものです。
月次決算にきちんと取り組み、
経営活動のなかに「仕組み」として組み込むことで、
毎月の行動をレビューすることが組織内で習慣化され、かつ、
現状を客観的に把握でき、行動に移せる社員が増えることになります。
これを毎月繰り返している会社と
そうでない会社では、長い目で見ると、
実行力に大きな差が生じるのは明白です。
月次決算と実行力の関係①
但し、気をつけないといけない点もあります。
1つ目は「月次決算のスピード」です。
毎月の行動をレビューするといっても、
月次決算ができあがるのに1ヶ月程度かかってしまうと、
それだけPDCAサイクルを回すスピードも遅くなります。
経営判断は、適時に実施していかないと
効果は薄れていくと思いますが、
そのためには月次決算を遅くとも15日以内、
できれば10日以内には確実に終わらせて、
前月の行動レビューをしたいところです。
つまり、
と言えます。
月次決算と実行力の関係②
月次決算の仕組みを作るにあたって、
もう1つ注意いただきたいことがあります。
それは、
という点です。
月次決算では、
会社全体の現状が見える化されます。
但し、会社全体の状況と、
社員個人個人の状況が上手く紐づく形で見える化されていないと、
社員が月次決算数値を見ても、
「他人事」で終わってしまう恐れがあります。
組織は個人の集まりですので、
社員個人個人が会社のことを「自分事」として
考えてもらえるように仕組み作りをしないと、
なかなか個人の活動と組織としての目標が連動してきません。
そのため、
月次決算数値で会社全体を見える化するのは良いのですが、
部門別の状況とかもきちんと見える化することで、
社員個人個人が「会社」と「自分の置かれた立ち位置」をつなげて考えられるように、
工夫をしてあげる必要があるということです。
経営戦略の実行のために月次決算を活用
ということで今回は
「戦略実行力」と「月次決算」の関係について、
お伝えさせていただきました。
競合他社と比べて「実行力」で差をつけるためには、
月次決算を早期化することで、
毎月1回、行動を素早くレビューする組織習慣を作り、
きちんと勝ち負けのスコアボードが明確になるようにすることで、
社員個人の行動に働きかけをすることが大切になります。
月次決算をただ月別の会計数値と考えるのは、
経営者としてはもったいないことです。
経営戦略の実行の仕組みとして
「月次決算」を活用してみてはいかがでしょうか?