Vol.47 戦略実行としてのスピード月次決算

Vol.47 戦略実行としてのスピード月次決算

この記事は当初2020年10月6日に投稿した記事になります。

戦略実行

戦略を立てても、うまく実行されずに
悩まれている経営者は多いのではないかと思います。

よく言われることとして、

一流の戦略と二流の実行力 < 二流の戦略と一流の実行力

という考え方があります。

 

情報化社会のなかで戦略がコモディティ化している現在において、
この考え方は正しいのではないかと思っています。

戦略で差別化を図るのは容易ではないため、
結局、差が生じるのは「実行力」になるということです。

 

それでは、成功している会社は、
どのように「実行力」を実現しているのでしょうか?

会社によって工夫はあると思いますが、
多くの会社で「月次決算」を上手く活用していると思っています。
それも、「実行力」の高い会社ほど、
月次決算のスピードが早いのは間違いありません。

 

そこで、今回は、
「戦略実行」と「月次決算」の関係について、
お伝えしたいと思います。

月次決算こそ戦略実行の重要な仕組み

まず最初に
「なぜ月次決算と実行力が関係するのか」
について、結論をお伝えしますと、

①レビューのタイミングが毎月1回、定期化される(習慣化)
②そのタイミングで勝ち負けのスコアボードが明確になる(ギャップの見える化)

の2点が大きいと考えています。

 

月次決算を行うと、
必ず月次という定期的なタイミングで、
定量化されたもので現状の見える化がされます。

人間は、あいまいだと
なかなか行動ができないものですが、
状況が明確になれば、逆に動き出すものです。

月次決算にきちんと取り組み、
経営活動のなかに「仕組み」として組み込むことで、
毎月の行動をレビューすることが組織内で習慣化され、かつ、
現状を客観的に把握でき、行動に移せる社員が増えることになります。

これを毎月繰り返している会社と
そうでない会社では、長い目で見ると、
実行力に大きな差が生じるのは明白です。

月次決算と実行力の関係①

但し、気をつけないといけない点もあります。

1つ目は「月次決算のスピード」です。

 

毎月の行動をレビューするといっても、
月次決算ができあがるのに1ヶ月程度かかってしまうと、
それだけPDCAサイクルを回すスピードも遅くなります。

経営判断は、適時に実施していかないと
効果は薄れていくと思いますが、
そのためには月次決算を遅くとも15日以内、
できれば10日以内には確実に終わらせて、
前月の行動レビューをしたいところです。

 

つまり、

月次決算のスピードと実行力は比例する

と言えます。

月次決算と実行力の関係②

月次決算の仕組みを作るにあたって、
もう1つ注意いただきたいことがあります。

それは、

会社と社員個人が紐づく形できちんと見える化する

という点です。

 

月次決算では、
会社全体の現状が見える化されます。

但し、会社全体の状況と、
社員個人個人の状況が上手く紐づく形で見える化されていないと、
社員が月次決算数値を見ても、
「他人事」で終わってしまう恐れがあります。

 

組織は個人の集まりですので、
社員個人個人が会社のことを「自分事」として
考えてもらえるように仕組み作りをしないと、
なかなか個人の活動と組織としての目標が連動してきません。

そのため、
月次決算数値で会社全体を見える化するのは良いのですが、
部門別の状況とかもきちんと見える化することで、
社員個人個人が「会社」と「自分の置かれた立ち位置」をつなげて考えられるように、
工夫をしてあげる必要があるということです。

経営戦略の実行のために月次決算を活用

ということで今回は
「戦略実行力」「月次決算」の関係について、
お伝えさせていただきました。

 

競合他社と比べて「実行力」で差をつけるためには、
月次決算を早期化することで、
毎月1回、行動を素早くレビューする組織習慣を作り、
きちんと勝ち負けのスコアボードが明確になるようにすることで、
社員個人の行動に働きかけをすることが大切になります。

 

月次決算をただ月別の会計数値と考えるのは、
経営者としてはもったいないことです。

経営戦略の実行の仕組みとして
「月次決算」を活用してみてはいかがでしょうか?