月次決算で見える化したい資金繰り
会社の組織規模が小さいうちは、
資金繰りを気にしている社長も多いと思います。
ただ、規模が拡大していくなか、
お金の流れが見えなくなるものです。
そして、そうなってくると、
一応、預金の残高は気にすることはあるかもしれませんが、
何にお金が使われているかや、
今後、お金が増えていくのか、減っていくのかは、
全くわからない状況になってくるものです。
このような経営者から、
「お金の動きを見えるようにしたいのですが」
という要望は比較的多くいただきます。
お金の色付け
お金の動きといっても、
実はいくつかの色があります。
たとえば、
売上で入ってくるお金と
借入で入ってくるお金と
出資で入ってくるお金では、
それぞれ、意味合いが異なります。
これらをきちんと色分けして、
お金の動きを把握したうえで、
経営判断をしていくことが重要です。
そのためによく使用するのが
「キャッシュ・フロー計算書」
です。
これは、お金の流れを
①営業キャッシュ・フロー
②投資キャッシュ・フロー
③財務キャッシュ・フロー
に分けて把握する方法です。
キャッシュ・フロー計算書は難しい表ではありませんが、
意外と作成できていない会社も多いと思います。
もし作成したことがないようでしたら、
是非一度作成をしてみて、
自社のお金の流れを把握してみるのも良いと思います。
感覚的にはお金の動きがわかっていたとしても、
キャッシュ・フロー計算書という形で見える化することで、
改めていろいろと気づけることも多いはずです。
なお、個人的には、このキャッシュ・フロー計算書を
月次ベースで作成したうえで、月次推移の形で横並びにすることで、
より多くの気づきが出てくると思いますのでお勧めです。
月次キャッシュ・フロー計算書の作成にあたって
この「キャッシュ・フロー計算書」を作成するには、、
預金の動きをそのまま整理をして作成することも当然できますが、
効率的なのは、会計情報(B/S,P/L)を活用して、
キャッシュ・フローを作成する方法かと思います。
つまり、月次決算で
貸借対照表、損益計算書を作成したうえで、
その流れでキャッシュ・フロー計算書も作成する、
といった感じです。
キャッシュ・フロー計算書は、
B/SとP/Lの情報があれば、概ね作成ができますので、
事前にExcelとかでフォーマットを作成しておき、
月次B/S,P/Lが完成したら、そのフォーマットに当てはめて、
月次キャッシュ・フロー計算書を自動作成するような実務イメージです。
たとえば、
以下のような感じの簡単なものでも、
大きなお金の流れを把握するうえでは十分かと思います。
これくらいであれば、
月次決算で数値が固まれば、
その情報を活用することで3分くらいでできあがります。
マネーフォワード vs Excel
実はマネーフォワードでも
標準機能としてキャッシュ・フロー計算書(下図参照)を
自動作成する機能はあります。
こちらを上手く活用できれば、
そのレポートを見る感じでも問題ないと思いますが、
設定の問題で完全には表示されなかったり、
自社で見たい形の項目になっていなかったり、
といった問題もあります。
その点では、
まずはExcelベースでも良いと思いますので、
自社でしっくりくるようなフォーマット作成する方が
実務的なような気がします。
Excelは、属人化したり、
メンテナンスが必要だったりといった課題はありますが、
一方で小回りもきくメリットもあります。
キャッシュ・フロー計算書の特性を考えると、
Excelの方が運用はしやすいでしょう。
是非、月次決算の仕組みの中に、
月次キャッシュ・フローの作成も業務として組み込んでみて
いただければと思います。
月次でキャッシュ・フローを並べてみるだけでも面白いものですよ。