
会計事務所にも“規模フェーズ”がある
私はこれまで、「マネーフォワードを活用して経理を自走する」 という切り口で発信してきました。
ところが実際に多くの企業をサポートしていると、次のような課題に何度も出会います。
- マネーフォワードを入れたものの、運用が続かない
- 税理士とうまく連携できず、入力ルールが統一されない
- 会社の成長に合わせて、会計事務所側の体制が追いつかない
原因をたどると、「自社フェーズと税理士事務所の規模がミスマッチ」 というケースが驚くほど多いのです。
規模別・会計事務所の5タイプ
私の経験をもとに、ざっくりではありますが、会計事務所を規模別に分けると以下の5つのフェーズに分けられると考えています。
タイプ | 典型的な人員構成 |
---|---|
① 税理士1名のみ | 完全ワンオペ |
② 税理士1名+スタッフ 〜5名 | 小規模チーム |
③ 税理士1名+スタッフ 〜10 名 | ミドルチーム |
④ 税理士2〜3名+スタッフ 〜20 名 | 複数税理士体制 |
⑤ 税理士複数名+スタッフ 30 名〜 | 大規模・準大手 |
会社経営と同じで、事務所規模が変われば 運営方法・サービス範囲・料金設計 が大きく変わります。
だからこそ「今のあなたの会社フェーズ」に合う税理士を選ぶことが不可欠です。
私自身のフェーズ遷移
開業当初は ①ワンオペ でした。
ところが事務所が5年、10 年と続くうちに――
- クライアントが増え、複数名対応 が必要に
- 高度な案件が増え、知識と時間のキャパ が限界に
- 短期不在でも回るバックアップ体制 が必須に
結局 ① → ② → ③ とフェーズ移行せざるを得ませんでした。
拡大が絶対善ではない ものの、小規模のまま抱えるリスク も確実に存在します。
この点は、会社経営と同じで、会計事務所であっても組織規模の問題はつきまとってきます。
“フェーズマッチ” がずれると起こること
会計事務所もフェーズによって特徴が全く変わってきます。どの規模が一番よいといったものではなく、それぞれに特徴があり、長所・短所があるということです。
- サービス内容:欲しい支援が提供されない/過剰サービスで割高になる
- 料金:同じ処理量でも事務所側のコスト構造で大きく変わる
- コミュニケーション:担当者の専門度・レスポンス速度が合わない
結果、マネーフォワードを入れても活用しきれない、税理士を替えてもまた合わない …という堂々巡りになりがちです。
5つのフェーズごとの特徴
そこで本サイトでは、①〜⑤ 各フェーズの特徴と選び方 を次回から順番に解説します。
- 次回:タイプ① 完全ひとり税理士―創業期に最適だが限界も早い?
- 以降:②→③→④→⑤ とケース別メリット・デメリットを掘り下げ予定
まとめ
- 会計事務所にも会社と同じ “成長フェーズ” がある
- 自社フェーズと事務所フェーズを合わせる ことが、価格・サービス・クラウド活用すべてを最適化する近道
- まずは次回の記事で、完全ひとり税理士 のリアルを確認してみてください
マネーフォワードをもっと活かしたいのに税理士選びで迷う… そのようなお悩みに少しでも役立つような情報として整理をできればと思っています!